話を分かりやすくするファミコンとウォークマン

2015年12月18日 07:00

人に物事を分かりやすく説明する際に必要なのは、相手に理解してもらいたいという意識です。伝える内容を相手に合わせた内容にしなければいけません。そのためには表現の使い分けができることが重要です。例えば、説明している話しの中に専門用語が出てくると、聞き手は難しく感じます。ここにギャップが発生してしまうのです。

最近では、あるモバイルショップのスタッフが、お年寄りと話しをしている際、このような説明をしていました。若者はともかく年配の方に、Wii、PSといっても分からない可能性があります。「おばあちゃん、ファミコンみたいな感じのってあるじゃないですか?ファミコンわかりますよね?」。

他のスタッフも、iPodで説明をしながら「ウォークマンみたいな感じで持ち運びができるんですよ」と説明しています。操作方法を教えるときにも、「パソコンを操作する、コードが付いていてカチカチするのありましたよね?」と説明しています。マウスを知らないパソコン初心者には、このように説明してもらったほうがすっと頭に入ってきます。興味をもったので話しかけたら、学生の頃に予備校講師のアルバイトをしていたとのこと。

日本史のなかには普段は聞きなれていても分かり難い用語があるものです。例えば、幕府と朝廷の違いについて説明する場合。幕府の頂点は征夷大将軍(武士)になります。一方、朝廷の頂点は天皇(貴族)です。次のような文があったとします。

「江戸幕府は、日米修好通商条約を、安政5年6月19日に日本とアメリカ合衆国との間で締結した。しかし朝廷は条約を認めなかった」。イマイチ分かり難いですね。次はどうでしょうか。「武士が貴族を無視して条約を締結した」と説明すれば分かりやすいわけです。

ある人には分かりやすくても、他には分かり難い言葉も沢山あります。相手によって表現を変えることが大切です。これができれば、年齢や知識を問わず言葉を理解してもらうことができます。更に伝えやすくするには横文字やカタカナを使わずに、別の言葉に置きかえることです。ところが、コンサルティング会社。特に外資系では普段聞きなれない横文字が飛びかいます。

「組織のレイヤーは」=組織の階層(役職など)のこと。
「このクライテリアは」=判定基準のこと。
「インプルーブが必要」=改善が必要。
「インプリまで頼むね」=プロジェクトを実装まで遂行すること。
「インクルードは」=含むという意味。
「この企画はチャーミング」=企画が秀逸という意味。
「バスケットは」=人事制度の賃金テーブルなどを指す。
「企画書がbusyだね」=詰め込みすぎの企画書のことを指す。
「クルデンシャルは」=実績・価値などの意味。

一般の事業会社の方は使わないほうが賢明でしょう。くれぐれも、使用局面、使用量はお間違えにならないように。

尾藤克之
経営コンサルタント

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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