投票率を22%も押し上げた!橋下氏の選挙戦略 --- 選挙ドットコム

2015年12月22日 07:00

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▲選挙で無類の強さを誇った橋下氏。「引退」後の動向も目が離せない(Wikipediaより、アゴラ編集部)

先週18日の金曜日に、おおさか維新の会前代表であり、大阪府知事・大阪市長を歴任してきた橋下徹氏が政界から引退しました。

橋下氏は、2008年の大阪府知事選挙を皮切りに、2011年には「大阪府知事」→「大阪市長」へと鞍替えを表明し、さらには

大阪市長 :府知事から自身が鞍替え
大阪府知事:同じ維新の松井一郎氏を擁立

した「大阪府知事・市長ダブル選挙」など、行政改革の手腕だけではなく、選挙においても注目を集めてきた政治家でした。

今年5月には、都構想の是非を問う住民投票という一大選挙を実施し、メディアでも度々取り上げられましたが、さらには僅差で敗退したことを理由に政界引退を表明、市長の後任に吉村洋文氏を擁立し、2011年に続き再び「大阪府知事・市長ダブル選挙」において勝利を収めました。

政治家は、選挙を通してでしか職に就けませんし、選挙によってでしか自身の正統性を明らかにできません。その意味でも、選挙の度にメディアを賑わしてきた橋下氏は、「稀有な政治家」だったと言えるでしょう。

そこで今回は、橋下氏によって実際に選挙がどう変わったのかを明らかにしてみたいと思います。

全体では8%も投票率が上昇


国会議員の選挙はまだしも、地方選挙はさらに投票率が減少し続けて、50%にも満たないことが多々あります。

しかしながら、大阪府知事選挙の投票率の推移をみてみると、橋下氏が出馬した2008年の府知事選挙は、その前の2004年選挙よりもなんと、約8%増加しています。

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また2004年と2011年の地域別の投票率を確認すると、大阪府の中では、大阪市における投票率が約38%から約61%に変化しており、なんと約23%も投票率が増加していることが分かりました!

投票率の上昇は、府知事選挙だけではなく、大阪市長選挙においても読み取れます。
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2014年の選挙では「辞任、選挙を行う大義がない!」と批判されたこともあって投票率は低下していますが、橋下氏が出馬する前の2007年の投票率が約40%だったのに対し、2011年の選挙では約60%を超え、2015年の選挙では約50%と、こちらも高くなっています。

夢の投票率50%超え!半数以上が投票に行っていた!


次に、選挙に行った年代を見てみましょう。

こちらも驚きのデータがでてきました。
2011年の「大阪府知事・市長ダブル選挙」における市長選投票率では、20代を除く全ての年代で投票率が50%を超えています!

20代、選挙行けよ・・・とは思いつつ、投票率向上に向けた様々な施策が必死に行われている昨今、大阪市の投票率向上はある意味異常です。

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次に、年齢と性別を見てみます。
ポイントは女性の投票率。

橋下氏の登場前と登場後で、男性よりも女性の投票率の方が上昇していることが分かりました。
そして30代女性ではなんと22%も上昇!!

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30代女性というと、子育てをはじめることで「待機児童」などの問題と直面する方も多く、その意味で生活と密接な地方自治体に関心を持つことはとても望ましいことですね。

選挙をうまく使った


18日の市長退任に合わせ、橋下氏の業績を評価する報道機関が様々ありました。
直接的には行政手腕とは関連しませんが、大阪市の有権者、特に若年層や女性の政治関心を高め、投票率といった目に見えるかたちで結果として出ていることも、評価に値するものかもしれません。地方創生などで地方が重要視されてきている現在において、どのように地方の活性化を進めていくかを決める選挙への投票参加に影響を与えたということで、橋下徹のような選挙を上手く使った人物はある種の起爆剤だったと言えるでしょう。

「政界引退」と言いつつも、今後も政界に影響力を残し続けるだろう橋下氏から、今後も目を離せません。

増沢諒:食べる政治代表
1988年長野市出身。早稲田大学卒業後、ITベンチャーでの勤務を経て、現在、東工大大学院修士課程。研究テーマは「ネットと政治」。ネット選挙解禁を目指す活動「One Voice Campaign」をはじめとし、様々な啓蒙活動を展開。2014年マニフェスト大賞受賞。
Twitter:mojamoja_megane
WEBサイト:http://taberuseiji.com/


選挙ドットコム


編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2015年12月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。


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