米富裕層、2016年は強気それとも弱気? --- 安田 佐和子

2015年12月23日 07:00

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米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ開始前日、経済金融専門局CNBCが発表した市場関係者を対象とした調査で、2016年末のS&P500予想は2140と21日終値から約6%高を見込んでいました。バロンズ誌の調査ではウォールストリートの予想は2220であり、21日終値から約10%の上昇を遂げる見通しです。

では、富裕層は強気なのか。CNBCミリオネア調査の結果を紐解いていきましょう。前回分の調査時期は春にあたります。

>S&P500
2016年予想 5~10%上昇 46%<前回は48%
比較的、横ばい 25%>前回は18%
5~10%下落 8%<9%

→強気予想がやや後退したとはいえ、下落を見込む声はまだまだ少数派。ジャンク債市場のメルトダウンが囁かれたものの、富裕層はまだまだ楽観的に構えているようです。

>投資先
米株 47%
債券 19%
短期証券 13%
海外株 10%
不動産 5%
その他 4%

→やっぱり一番人気は、米株でした。海外株は商品価格の下落を背景に、債券に劣ります。短期証券が海外株を上回っているのは、リスク・オフ相場をにらんだ措置なのでしょうか。

>米株、上昇期待値が大きいセクター
テクノロジー 20%>前回は14%
ヘルスケア 16%>前回は13%
金融 12%<前回は23%
エネルギー 8%<前回は12%

→一番人気は2015年のホット銘柄だったFANG(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)に代表されるようなテクノロジー関連でした。利上げ局面で利ザヤ改善が見込まれる金融セクターを抜いて堂々の一位です。医療保険制度改革(オバマケア)をめぐり、保険大手ユナイテッドヘルスが実入りの少なさを理由に撤退を検討中と伝えられながら、ドル高や原油安に無傷なセクターという点で評価されたと考えられます。金融株は緩やかな利上げで利ザヤの改善ペースが鈍る可能性が高い上、3期連続の減収という企業業績やドル高・原油安を通じた設備投資の縮小で貸出増加には疑問符がついたのでしょう。

以上、こうした結果をみると富裕層は守りに入ると同時に攻めの姿勢を貫く硬軟取り合わせた投資で手堅いリターンを狙っているようです。12月FOMCでは利上げ後も政策は緩和寄りな上、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和もあって低金利時代が継続すると見込まれるだけに、債券より株式へのアロケーションを考えているのでしょう。

(カバー写真:TS Multimedia/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2015年12月22日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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