安倍総理は“正直者”か、“嘘つき”か? --- 選挙ドットコム

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衆参ダブル選挙のうわさが絶えない


衆参ダブル選挙(衆参同日選挙)は、言わずと知れた参院選と同じ日に衆院選を行うことです。これまでダブル選挙が行われたのは1980年と86年の2度。いずれも自民党が圧勝しました。
安倍総理がこの夏に衆参ダブル選挙に討って出るとの報道が昨年末から活発化しています。

「衆参ダブル選挙」をキーワードに検索をかければ、ここ数日分でも、下記のような記事が並びました。
○「消費増税再延期→衆参ダブル選挙→改憲」 安倍総理の大いなる「野望」が見えてきました
政治家人生の「総仕上げ」へ(週刊現代 1月31日号)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47573
○『衆参同日選「常識的にはない」 自民・高村副総裁 (朝日新聞 1月23日)
http://www.asahi.com/articles/ASJ1R4GVSJ1RUTFK002.html
○「衆参同日選、自民をけん制…公明の山口代表」 (読売新聞 1月23日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160123-OYT1T50091.html
○「衆参同日選挙」が自民党にもたらす“メリット”の幻想 (週刊新潮 1月28日号)
http://www.dailyshincho.jp/article/2016/01260405/?all=1
○同日選「あり得ない」…自民8派閥領袖が会合 (読売新聞 1月20日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160120-OYT1T50015.html

火のないところに煙は立たない?


果たして衆参ダブル選挙は行われるのでしょうか?

衆議院の解散についての周囲の発言は、官房長官や党の重鎮あたりが「(衆議院の)解散は総理の専権事項。他人が口にすることではない」と言うのが通例です。
ここで我らが「選挙ドットコム」の過去の記事をご覧ください。

◯ぶっちゃけ衆参ダブル選挙はありえない!明白すぎる理由の「裏」を読む
◯「死んだふり」と「ハプニング」で自民圧勝!今度の衆参ダブル選で、ついに自民単独8割達成か

この夏に衆参ダブル選挙を行うには様々な制約がありそうだ。だから「やらない」では当たり前すぎてニュースになりません。

ダブル選挙になった場合には、かなりの議席数の獲得が見込めると予想されることから、ダブル選挙を「やる」のでは?という方が耳目を集めるのである。年末からのダブル選挙に関するニュースはこの目新しさを負ったものでしょう。

「やる」を前提に、逆に「やらないだろう」あるいは「やらないでほしい」といった声がニュースになったのではと考えられます。

検索サイトでは「衆参」のアクセスが増えているといいます。
衆参ダブル選挙はあるのか?国民の関心が高まりつつあることの表れだと考えられます。

総理がダブル選挙を「やらない」と言って「やる」のは政治の世界では許される。
公定歩合と衆議院の解散について総理大臣は嘘を言ってもいいとの言葉もあります。

「やらない」と言いつつ情勢を分析し、実際に「やらない」選択肢ももちろんあります。
しかし、「やる」と言って「やらない」のは求心力を低下させるので避けねばならなりません。

選挙は戦(いくさ)。とりわけ衆院選は政権の生命線です。
次の衆院選の勝利のためにダブル選挙を「やる」のか「やらない」のかが焦点です。

ダブル選挙を「やらない」ならば、次の衆院選はどのタイミングで行うかがクローズアップされます。最も有利なタイミングはいつなのか。ダブル選挙をやっていればと後悔することはできません。

これほどまでにダブル選挙について報道がされるのは、総理周辺がマスコミやメディアを巻き込み、ダブル選挙を「やる」「やらない」の神経戦を仕掛けているか、あるいは周囲の発言を利用しているのではと思われます。

観測気球を上げつつ、安倍総理はいかなる決断を下すのか。
それは今の総理自身にもわからないのかもしれない。

選挙ドットコム編集部

写真著作者: donnierayjones

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編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2016年1月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。