営業マンは他人に覚えられてナンボ?はウソである

2016年02月03日 06:00
new_92bcb7084b4d0e9c0e6a9afb55d3b1ce_s

「営業マンは自分を売り込まなくてはいけない」「営業マンは覚えられてナンボだ」。営業経験のある人なら上司から一度は言われたことがあると思います。今回は「営業マンが自分を売り込むことの意味」について考えてみたいと思います。

●自分を売る本当の意味

営業の本には「自分を売り込め」と書いてあります。営業マンにとって商品を売り込むのは一番の初歩です。それと比べれば自分を売り込むことは一歩進んでいると言えます。しかし本当に自分を売り込むことが良い方法でしょうか。お客様からすれば、営業マンがよほど魅力的か専門性がない限り、最初から「あなたから買います!」とは思いません。そんなことよりもはるかにお客様が喜ぶ方法があります。

それは、お客様にお客様自身を売り込むことでしょう。誰もが最も関心があるのは自分のことです。その証拠に集合写真で最初に探すのも自分の顔だと思います。ですから、お客様にお客様の話をすれば絶対に飽きることなくいつまでも話を聞いてくれるはずです。そのためには、営業マン自身がお客様に関心をもたなくてはいけません。

ここで分かりやすい事例を引用します。あなたが、研修会社の営業マンだったとしましょう。大手企業であれば既に競合他社を含めてかなりの研修商品が導入されているはずです。そこで「この研修は他の研修と比べてこれだけ優れています」「○○大学心理学部の△×先生に監修をいただいています」と説明しても採用されるには未だ足りません。

「この研修を導入したA社の部長は高い評価を受けて半年後に人事担当役員に就任しました」「この研修を導入いただければ業界では初めてのケースになります。かなりインパクトがありますね」など、お客様が自分に投影してイメージし易い話をしたほうが効果的なはずです。

●情景の浮かぶストーリーをつくる

注意しなければいけないことは間違ってもウソやお世辞は言わないこと。自分が見て正しいと思うことを言うことで信頼関係が築けるはずです。これは見たり感じたりする能力ですから五感をフルに動員する必要があります。先ほどのケースであれば、社内での評価を気にしない人はいませんから、そこに結びつく話をしたほうが喜ばれるということです。相手が社内で評価されて昇進昇格をするためのシナリオを描いてあげれば更に関係性は太くなるはずです。

また、営業活動をする際には、売れ筋を売りたがるものです。しかし、その売れ筋の商品は、自分の好みであってお客様の好みとは違う可能性があります。このような場合は、商品の優位性や機能面ではなくエピソードが重要なポイントになります。

先ほどの、研修会社の営業マンがコミュニケーション研修の営業活動をしている局面であれば「この研修の原型は古代ローマ帝国時代にさかのぼるといわれています。当時も人間関係は重視されていたのですね。しかし王族関係者の一部の上級官僚しか受けられなかったそうです」というトークなどは分かりやすいと思います。

また、相手とコミュニケーションを深めたいのであれば「私はキャリアカウンセラーをしながら今まで1万人の方と面談しましたが、いま位の実績があれば、他社であればマネジャークラスのポストが沢山ありますね」「来期に向けて水面下では人材マーケットが動いています。よろしければご紹介しましょうか?」など。

大切なことは、ウソをいけないということ。商品は売っていないし自分も売り込まないスタイルだと好まれるはずです。この類の話に正解はありませんので、自分にしっくりきたものを選択すれば良いでしょう。いま一度、ご自分のスタイルを確認されては如何でしょうか。

尾藤克之
経営コンサルタント

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

関連記事

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑