“去りゆく老兵”…引退する民主党古参の重鎮議員たち --- 選挙ドットコム

2016年02月05日 08:00

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老兵は消えゆく

この夏、7月25日に参議院議員の半数が任期満了を迎える。

巷では7月10日の投開票で参議院議員選挙が行われるのと風説が流れている。改選を迎える議員たちの中には、選挙戦に臨まずに引退する議員も多い。

民主党では、江田五月氏(えだ・さつき)、輿石東氏(こしいし・あずま)、北澤俊美氏(きたざわ・としみ)、直嶋正行氏(なおしま・まさゆき)ら、閣僚や党の要職を経験したベテラン議員達が引退する見通しだ。

江田氏は岡山県選挙区選出の74歳。元社会党書記長の江田三郎氏を父に持ち、父の死後に裁判官を辞して参院選に初当選。その後に衆院に鞍替えし衆議院当選4回。社民連の代表を務めた。細川内閣では科学技術庁長官を、その後は参議院議長や法務大臣、環境大臣(兼務)を歴任した。参議院では通算して当選4回を数える。

輿石氏は山梨県選挙区の選出の79歳。教職員組合で頭角を現し、衆議院当選2回、参議院当選3回。民主党で幹事長など党務の要職を歴任。現在は参議院副議長である。

北澤氏は長野県選挙区選出の77歳。代議士秘書や県議会議員を経て参議院当選4回。東日本大震災では防衛大臣として辣腕を振るった。

直嶋氏は比例代表の選出で当選4回。労働組合(自動車総連)の活動を経て政界へ。民主党の参議院幹事長や政策調査会長を歴任。鳩山内閣と菅内閣では経済産業大臣を務めた。

一方、まだ年齢的には十分に議員を続けることが可能と思われるが、引退を表明している民主党議員もいる。静岡県選挙区の選出で当選2回の藤本祐司氏(ふじもと・ゆうじ)は58歳。政治家として、これからの活躍が期待されるが、この夏の参院選で3期目を目指しての出馬はせず、引退を表明している。藤本氏はシンクタンクの研究員の出身であり、精緻な情勢分析にもとづいて政界引退を決断した可能性もある。

ベテラン引退後、民主党に及ぼす影響は計り知れない

農村部での基盤が弱いとされる民主党だが、岡山や山梨では江田氏や輿石氏といった当選を重ねてきた古参議員が党勢拡大の中心となってきた。

岡山では江田氏が中心となり、衆2区の津村啓介氏(つむら・けいすけ)や衆4区の柚木道義氏(ゆのき・みちよし)といった若手の衆議院議員を育ててきた。

山梨でも衆3区の後藤斎氏(ごとう・ひとし)や、民主党を離党したが衆1区が選挙区だった小沢鋭仁氏(おざわ・さきひと)らの誕生には輿石氏の影響力が小さくなかったであろう。

長野は羽田孜氏(はた・つとむ)元総理のお膝元であり、比較的民主党が強い地域である。羽田氏の長男の雄一郎氏(はた・ゆういちろう)は参議院当選4回(うち1回は補選での当選)。衆議院では1区で元農水副大臣の篠原孝氏(しのはら・たかし)が小選挙区での当選を果たしている。

しかしながら従来からの1人区である岡山、山梨に加え、長野も定数配分の見直しで定数が1減となり、この夏の参院選から1人区となる。知名度のある老兵たちが消え、代替わりが行われれば民主党はこれらの地域でも衆参ともに厳しい戦いを強いられるであろう。

豊富な経験をもった議員の存在は国会審議や党運営においても安定感を放っていた。百戦錬磨の頼れる存在を失うことで、選挙区のみならず永田町でも影響が出てくるものと思われる。

ベテラン議員の引退は、この夏の参院選で厳しい結果が見通される民主党に更なる追い打ちをかけることとなるだろう。

選挙ドットコム編集部

写真著作者: Joerg Brunsendorf

選挙ドットコム


編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2016年2月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。

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