議員秘書の裏口入学斡旋方法!そのテクニックとは

2016年02月08日 13:51
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政治とカネの問題が取りざたされています。この類の話が長引くと政治全体に対する不信にもつながっていきます。

いま某代議士の議員会館である取引が行われようとしています。相手は後援会会長です。「お世話になった方の子息がどうしてもX大学に入りたいと言っていてね。よろしく頼むよ」。目の前には無造作に紙袋が用意されています。秘書は「かしこまりました」と受け取りました。

まず、このような話をまともに受けている人がいれば、それはテレビドラマの見過ぎでしょう。実際このような光景が繰り広げられていたら番組関係者や視聴者にとっても面白いネタになることは間違いありません。

以前、民放の某番組に出演した際にも、聞かれたことは「裏口入学斡旋」「就職斡旋」。いわゆる陳情の便宜を図ることの事実を確認するようなものが多かった。それだけ関心が高いということなのでしょう。

●裏口入学は依頼をするとバカをみる

議員秘書には、どうしても裏口入学や斡旋などのダーティなイメージがつきまといますが、まず、議員秘書はこのような違法行為には手を出しません。たとえ有力な支持者からのお願いであったとしても、違法行為が露見したら、議員の落選は自明の理だからです(というか、そもそも公認が取れなくなるでしょう)。世間は違法行為を隠し通せるほど甘いものではないからです。

しかし、陳情であれば無げにできないのも事実。悪い評判を流されたり敵陣営に行かれると困りますから形式上、即答では断らずに一旦は検討する形を取るわけです。

「うちの息子をどうしてもX大学に入れたいんです。先生にお願いしてもらえませんか?」。このようなことを言われたら、議員秘書は素直に「わかりました」と答えるでしょう。陳情の要望にたいしては「是」と答えるのが、相手のイメージを悪くしない唯一の答えだからです。

しかし、ここで重要なのは本質的な利益です。裏口入学を実行して、その結果、得られる支持者からの支援と、裏口入学が露見したときのリスク、どちらが大きいでしょうか。もはや考えるまでもありません。

基本的なスタンスは、このような陳情があったら支持者には「わかりました」とだけ伝えておいて、ほっとくでしょう。その結果、たとえ大学に合格できなかったとしても、それで良いのです。

●渡したお金は戻ってこない

ところが、裏口入学でお金を騙し取られる、という話は昔から良くあります。渡したお金は戻ってくるのでしょうか?

私は法律家ではないので専門的な見地からのコメントは控えますが、民法708条により、裏口入学を依頼した側にも厳しい判決が言い渡されています。「不合格だからお金を返せ」という訴えに対して金品を提供して便宜を図る(このケースは裏口)ような行為は社会通念上許されない。だから返さなくて良いとするものです。

概ね裏口に関わる訴訟では同様の判決が出ています。依頼する側、依頼される側、双方にとって全くメリットがありませんから、このような陳情には対応をしないことは常識になっています。

「就職斡旋」はどうでしょうか。日本の就職には縁故というシステムが存在します。とりわけテレビ局や広告代理店には多いといわれており、スポンサー対策としては半ば公然の事実でしょう。感覚としては、マスコミ業界であれば採用枠の何割かに何らかのコネがあるとさえいわれています。

特に、広告業界ではコネは営業活動という認識があります。有力者の子息を縁故で入社させることで安定的な広告オファーが見込めるためです。また広告代理店、テレビ局、銀行、大手有名企業等々コネ入社はどこにでも存在します。ただし入社後は実力主義であることから将来が保障されたわけではありません。

さて、あなたのまわりで、とりわけ「裏口入学斡旋」の話をしている人がいたら詳しく聞いてみれば良いだろう。「実際に手がけた人をご存知ですか?」「具体的な内容は?」。恐らくそれが事実であると納得させられるだけの根拠を示すことはできないはずだ。

尾藤克之
経営コンサルタント

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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