ブームに沸くフィンテック業界で数年後に起こること

2016年03月28日 11:00

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フィンテックという言葉を最近良く聞くようになりました。ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語です。新しい成長ビジネスとして日本でも急激に注目度が上がっています。

写真はネット上に掲載されていたアメリカの有力フィンテック企業をまとめた図になりますが、数年後に残っている会社は半分以下だと思います。それくらい変化の激しい業界です。

最近、メガバンクをはじめとする大手金融機関がフィンテック分野に興味を示し、様々な形で参入してきています。成長分野でビジネス展開したいという意図もあるかもしれませんが、最大の理由は今までの既得権益が侵される脅威に対する対抗ではないかと思います。

例えば、ロボアドバイザーと呼ばれる資産運用サービスがあります。ネット上で自分の資産運用方法の希望を入力すると、自動的に最適な資産配分を提示して運用商品を選んでくれます。「ラップ口座」や「ラップファンド」と呼ばれる既存の高コストな金融商品と同じ(あるいはより洗練された)サービスを半分以下のコストで提供する。このサービスが広がれば、金融機関の収益源である手数料が減少してしまいます。

あるいは、国内外の資金のやり取りには、高い手数料がかかります。国内では銀行振り込みを利用しなければなりませんし、海外は送金するのに数千円の手数料だけではなく、手続に膨大な手間がかかります。フィンテックの技術によって、ネット上で簡単に資金のやり取りができたり、ビットコインのような仮想通貨が海外への送金手段として使えるようになれば、こちらも劇的にコストが下がります。

金融ビッグバンによって株式売買手数料が自由化され、ネット証券が手数料を10分の1に下げたのが1999年です。その時は、50社以上のネット証券が乱立して、激しく競争しましたが、現在大手ネット証券として残っているのは、5社程度です。大手の金融機関が立ち上げた会社であっても、多くは撤退に追い込まれました。

ブームに沸くフィンテックビジネスですが、数年後にはこれと同じようなことが起こっているはずです。その時、今存在する会社の中でどの企業が生き残っているか。残念ながら予想することはできません。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。

 


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年3月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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内藤 忍
資産デザイン研究所社長

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