議員秘書に接客スキルのノウハウを聞いてみた

2016年04月19日 06:00

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(写真)街頭に立つ鍔木氏。

接客はお客様との距離感が難しい仕事です。近すぎれば、「しつこい」と煙たがられ、遠ければ「サービスがなっていない」と叱責されます。今回は、接客スキルを高めるヒントについて、議員秘書の鍔木(つばき)良子氏に伺いました。

●臨機応変にキメの細かい対応をする

—これまでのキャリアと接客のコツについて聞かせてください。

鍔木良子(以下、鍔木) 社会人になって最初に入社したのが大手ホテルチェーンでした。チェックインのときの説明や部屋までの誘導はマニュアルにそっておこなうので杓子定規になりがちです。これでは温かみのある接客とはいえません。お客様は対応するスタッフの接客でホテルの印象を決定するので、まずはそのことを意識しなければいけません。

また全てのお客様が密度の濃いサービスを求めているわけではありません。ホテルのラウンジで打合せをしているようなお客様は、適度な距離感を求めてラウンジを利用しているケースが多いと思います。そのようなお客様に密度の濃いサービスは煙たがれるだけです。

—お客様との適度な距離感が必要ですね。

鍔木 お客様に「どの程度の距離感で接すればいいですか?」とは聞けませんから、これはよく観察する必要性があると思います。お客様によって求められていることは異なりますが、誠実に接することでよい接客ができるのではないかと思います。

例えば、ホテルのレストランは宿泊客以外の一般の方も利用します。しかし混みあってなかなかエスコートできないこともあります。このようなとき、宿泊客の方は明らかに不機嫌な態度をとったり不満に感じるものです。「自分は宿泊客なのに」と思うのは当然です。

しかし、わずかな気配りで印象は変わるものです。すぐに案内することが難しいようであれば、ホテル内のラウンジに誘導したりお部屋でお待ちいただくか、ホテル内の別のレストランを速やかに案内する。子ども連れのお客様であれば、「待たせてごめんね。もう少しで席に座れるからね」「静かに待ってくれて有難う」などと声をかける気配りがあっても良いでしょう。混んでいるときのお客様の対応が一番難しいですが、経験して慣れるしかありません。大切なことはシチュエーションに相応しい振る舞いをすることです。

●お客様の会話にはヒントが隠されている

—お客様との会話で注意することはありますか。

鍔木 食事のオーダーなどは分かりやすいでしょう。オーダーの際の「苦手なモノはございますか?」という一言には、苦手な食材と食物アレルギーを確認する2つの意味があります。例えば「卵は苦手なので抜いて欲しい」と要望があったら、「卵アレルギー」であることを予見しなくてはいけません。ゆで卵、焼き卵、マヨネーズ、タルタルソース、調味料に至るまで、該当する食材すべてがパッと浮かばなくてはいけません。

「お肉には火を通してね」と言われたら、肉の赤い血や血の生臭さが苦手だということです。ウェルダンで肉が固くなってしまう場合は、ミディアムとウェルダンの中間、“ミディアムウェル”もしくは“ウエル”で調理するなどのアレンジが必要です。

—これは現場で実践をつまないと難しそうですね。

鍔木 シチュエーションは同じであっても、お客様によってニーズが異なるので、どのような接客を求めているか速やかに判断する必要があります。私は困ったときや大切だと思った局面では、すぐにメモをとるようにしていました。メモをしたことを日々振り返るだけでかなり勉強になるはずです。

また人に教える場合はリアリティがないと伝わりません。複雑なマニュアルをつくっても読まれることはありません。実際に経験したリアルな内容を盛むようにしてください。また、スタッフの仕事に対する意識も温度差がありますから、その辺りの配慮も必要です。

—有難うございました。

鍔木氏は、掘井健智氏(兵庫県議会議員/おおさか維新の会)の秘書として日々奮闘しているとのこと。秘書の仕事に過去に学んだ接客スキルが活かされているのではないかと推測します。また、現在、シングルマザーとして3人のお子様を育てているとのこと。今後の活躍を祈念いたします。

尾藤克之
コラムニスト/経営コンサルタント。議員秘書、コンサルティング会社、IT系上場企業等の役員を経て現職。著書に『ドロのかぶり方』(マイナビ)『キーパーソンを味方につける技術』(ダイヤモンド社)など多数。
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