どこまでやる、日銀の金融緩和

2016年04月23日 13:39

市場にサプライズ感が再び漂ってきました。東京の金曜日午後に流れ出した「日銀、金融機関への貸し出しにもマイナス金利を適用か」の噂。これを受けてメガバンクなどの株が急騰し、日経平均は200円上げ4日続伸となりました。更に為替市場では金曜日午後3時のニューヨーク市場で既に111円台後半まで急落しています。

日銀は27日、28日と定例の政策会合を開きますが、何らかのプランが出そうだというコンセンサスが高まっています。好き嫌いを別にして私もかなりの確率で何らかの緩和策を提示する可能性があるとみています。

理由は107円台まで進んだ円高に一定の歯止めをかけたいという政府と日銀の思惑、また、熊本の地震で一定の対策の姿勢を見せる必要があるからであります。

では、今回浮上した金融機関への貸し出しにマイナス金利の検討ですが、確かにサプライズそのものであります。一つの見方として金融機関から非常に悪評であるマイナス金利による経営への影響に対して一定のボーナスを差し上げる、という発想が無きにしも非ず、という気がいたします。

これがよい話か、悪い話かという点については議論を呼ぶところだと思います。私は昨今の日銀のスタンスについては懐疑派であり、本件についても例えばみずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストが「補助金が出ると分かってしまえば、貸出金利自体がその分下がるので、結果的に銀行の収益基盤が痛むという流れは変わらない」と指摘。経済、物価に与える影響は「あまり大した効果はない。需要の問題であり、補助金をつけて金利を下げさせれば何とかなるというのは、発想として無理がある」(ブルームバーグ)という意見に賛同します。

日銀政策も悪循環に入ってしまっており、市場から常に催促が起きている状態ともいえます。放置すれば乞食が食べ物を乞うのと同じで永遠に満腹感がない状態が続かないとも限りません。

経済にはある程度の自立機能が本来あり、一定程度弱くなれば再び回復するのがあるべき姿であります。が、日本の場合、大きなピクチャーで見れば1990年のバブル崩壊でかつての高度成長時代が終焉し、成熟国として低いインフレ率と低い成長率、それに伴い金利も低くなるという三点セットの状態が流れとしては継続しているのではないでしょうか?

それから既に25年もたっており、世代交代が進んだことで人々のマインドに「これが当たり前の姿」となってしまった感がいたします。だからこそ、モノは「安ければ安いほど良い」というデフレ思想もごく普通に身についたわけで日本の経済とは機能面よりもメンタル面での変化の方が大きいのでしょう。

さて、株価を見るとこれも悪い癖なのですが、一方的な上げ相場になっています。物色される銘柄も週の初めのバイオから様々な銘柄、業種に広がり、東証一部上場銘柄も金融、不動産などが強く買われています。この手の相場付きは経験則からすると日銀の政策発表のある28日の昼過ぎに最後のピークを付けておしまい、というパタンにならないとは限りません。日銀の知恵を絞った政策が市場の期待を越えていない限り28日の前場までの「噂で買って事実で売る」という状況には気を付けた方がよい気がします。

ただ、株価についてはNYが堅調さを維持しており、アメリカの政策はドル安に伴う株高の演出に見え、S&P500、ダウ、ナスダックともに史上最高値が手に届く圏内にあります。よって日本株も基本的には大きく売られる状況にはないと考えております。

来週は早、4月最終週でゴールデンウィークに突入します。どんなサプライズが出てくるのか、人々は黒田総裁のドヤ顔を期待するのでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人 4月23日付より

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