「売れる本」より「役に立つ本」を目指した方が良い

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10万部のベストセラーとなった「初めての人のための資産運用ガイド」は、発売してからまもなく1年になりますが、ありがたいことに引き続き、アマゾンでもリアル書店でも販売数が落ちていないそうです。

書籍が売れるかどうかは、本の制作が終わった時点では、まったく見当が付きません。書いていて手ごたえを感じ、自分としては会心作だと思って店頭に並んだら、まったく売れなかったものもあります。逆に、あまり期待しないで出版したら大きな反響を呼んだというケースもあります。「初めての人のための資産運用ガイド」はどちらかというと、後者です。

ご存知の方もいるかもしれませんが、この本は以前に同じ出版社から出した単行本を編集し書き直して、新書判の携書という形でリニューアルさせたものです。内容は大幅に変わり、タイトルも全く別物になっていますが、基本となっている内容は同じです。

単行本になったことで、価格が少しお求めやすくなり、内容もコンパクトにまとまったことで、気軽に読めるイメージが出たことが、読者の裾野を広げてくれたのかと思っています。また、装丁も初心者・未経験者向けであることをアピールし、10万円からとハードルを下げたことも良かったみたいです。

書籍の販売には、市場環境も大きく影響します。特に資産運用関連の書籍は、株式市場が下落すると売れなくなるという相関関係があります。リーマンショックの後は、投資関連書籍は全滅でしたが、アベノミクスになってからは徐々に読者が戻ってきています。

そして、今年に入ってからは日銀のマイナス金利政策などもあり、自分の資産は自分で守るという意識が日本人の間にもようやく広がってきたようです。マネーリテラシーの重要性が認知されればされるほど、きちんとした資産運用の勉強をしたいという人が増えているのです。

販売好調であることから、図解版の制作も開始しました。こちらは、コンビニエンスストアなどを中心に販売していく、新しいターゲットを狙った作品になります。このブログの存在を知らないような人が対象です。

今年も4冊程度の書籍を執筆する予定ですが、売れる本を狙っても思い通りにいくものではありません。であれば売れる本ではなく、役に立つ本という視点で、何を書くかを決めていくつもりです。

<参考図書>
「初めての人のための資産運用ガイド」 内藤忍

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年4月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。