弊害の自覚なき消費税再引き上げ延期の不安

2016年06月01日 14:30

消費税の再引き上げ、私は本来はやるべきだが、再引き上げで景気が減速するというムードがここまで強いとやむを得ない気もする。

橋本内閣のときには、もう少し、景気刺激政策を継続すれば見通しは明るいという状況だったから私は引き揚げに猛反対した。しかし、前回も今回ももう少し頑張ればと言う状況ではないから、引き上げを先延ばしするのはよろしくない。

ただ、引き上げるとたいへんなことになるというデマが広がってしまうと、引き上げると本当に消費減退など引き起こすから実行は難しい。

政府与党も悪いが、民進党が抜け駆け的に延期を提案したことはひどく残念だ。マスコミも、引き上げないとどんな不安があるかバランス良く報道すべきなのにしなかった。

逆に、谷垣・麻生氏らがここで強く難色を示したことは、たとえ成功しなくとも、さらに三度目の延期をすることにブレーキをかける効果があるから良いことであり、もっと抵抗して欲しい。

それにしても若年層は大馬鹿だ。延期が中高年齢世代が過去の蓄積を食いつぶし、将来に負債を残すことになることを自覚しているのか。若年層がいい加減にしろと怒らねばおかしいのだ。一刻も早く低すぎる負担と高すぎる給付水準のアンバランスを解消することが、将来の激変を避ける唯一の方法だ。

若年層が選挙権もあるのに、それをしないなら、将来の社会福祉が低下して泣いても仕方ない。ただし、中年層も、引き上げに反対するなら、高齢になったときに現在の医療や介護を維持できなくなることを選択したという自覚はしたほうがよい。

政治家や公務員の待遇を落とすのが先だという類いの意見も大馬鹿。そういうのは、国民が政治の消費者だと立場を取り違えてのことだ。国民は主権者だ。企業で言えば、客ではなく株主だ。役員や従業員の待遇をとことん落とすまで高配当を続けろというようなもので、自分の首を絞めている。どっちが先という問題ではない。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学大学院教授

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