フロリダ州銃乱射事件が発生、米大統領選の影響は?

2016年06月13日 17:40

フロリダ

フロリダ州オーランドの同性愛者向けナイトクラブ“パルス”で12日未明、銃乱射事件が発生したのはご周知の通りです。51名が殺害され、少なくとも53名が負傷する全米で最悪の銃乱射事件となりました。

オマール・マティーン容疑者はアフガニスタン人の両親を持ちニューヨーク生まれの米国籍で、29歳の男性。2013年には同僚にテロリストとの関係を煽る発言で米連邦捜査局(FBI)からの聴取を受け、2014年にはシリアで自動車自爆テロを行った人物との関与を理由にFBIが尋問された人物です。一連の状況に加え今回の事件後、過激派組織イスラム国(IS)系のニュースサイトAmaq News Agencyが「IS戦士が実行した」と発表。容疑者は警察との電話でISの名を言及したとされ、テロ事件として捜査が行われています。

米大統領選イヤーでの、この事件。2015年11月でのパリ同時多発テロ事件や同年12月に発生したサンバーナディーノ事件は共和党のトランプ候補への支持率が引き上げましたが、米国では今回どのように受け止められるのでしょうか。

イスラム教徒の入国禁止と銃社会支持を旗印に掲げる共和党のトランプ候補は、ツイッターでこのような見解を表明しました。「過激派イスラム教テロ組織に対して(同氏の見方が)正しかったと祝われることに感謝するが、祝いの言葉より強靭な姿勢と監視体制が欲しい。我々は利巧でなければならない!」

twitter
(出所:Twitter)

死亡者51名を悼むメッセージを合わせて寄せたものの、さすがに上記のツイッターで批判の集中砲火を浴びています。全米ライフル協会(NRA)の支持を取り付けているだけに同候補が銃規制支持派に転向する可能性はゼロに等しい。引き続き「銃には銃」、イスラム教徒入国禁止といった主張を展開していくのでしょう。6万2759件の「いいね」を踏まえれば、なおさらです。

全米で最悪の銃乱射事件をもってしても、NRAはNY時間午前1時半の段階で特に見解を表明せず。ただ、トランプ候補のツイッター賛同者をみていると、ゴリゴリの保守派なら「犯人が所持していたライフルと拳銃より威力のある銃で返り討ちすれば良い」といったスタンスであることが透けて見えます。日本人にとっては、斜め上の持論で理解に苦しみますよね。

対してリベラル派は、6月という時期に合わせ結束を固める可能性が高まります。なぜなら6月は26日にニューヨーク市で、25~26日にはカリフォルニア州サンフランシスコでゲイ・パレードを予定します。今回の銃乱射事件の追悼パレードと化すこと必至であり、かつ銃規制運動の弾みとなり得ますよね。しかもサンフランシスコではテーマに「人種的、経済的な正義のため(FOR RACIAL AND ECONOMIC JUSTICE)」を掲げ、米大統領選を意識した姿勢が伺えます。こうした事情を踏まえると、必ずしもトランプ候補の追い風になるとは考えづらい。無党派層の銃規制支持派を取り込む機会であると同時に、反トランプ体制が全米に波及するきっかけを与えそうです。ツイッターを中心にNRAの支援を受ける共和党議員への攻撃は、すでに始まっています。

ちなみに、フロリダ州では蛇やワニなど野生動物が頻繁に姿を現す事情から銃所持に関する規制は比較的緩いんですね。最近では、約360㎏に及ぶ巨大アリゲーターが牧場の牛を捕食していたところ、猟師に仕留められたとのニュースが出回っていました。銃乱射事件が発生した、こんな背景には留意しておきたいところです。

(カバー写真:Scott Butner/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年6月13日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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