職場のギスギスの原因はストレスではなく◯◯だった

2016年06月29日 07:00

無題

※写真はセミナー中の船見。

皆さまは職場のギスギスの正体をご存じだろうか。職場によっては過酷な業務を与えられることもあるだろう。そんな厳しい状況でも心が折れずに安定した業務を遂行していく役割がビジネスパーソンには求められている。

インタビューした、船見敏子氏(以下、船見)は「職場で“うつにならない、させない”ための最も効果的な方法は褒めること」だとしている。また、船見の著書を推薦している、下園壮太氏は平成27年に退官した、元・陸上自衛隊衛生学校心理教官であり、船見が所属している「メンタルレスキュー協会」で講師を務めるなどの関係性がある。今回は、職場のギスギスを無くすテクニックの一部を紹介してみたい。

●期待を現実化させるピグマリオン褒め

むかしむかし、アメリカに、ロバート・ローゼンタールという教育心理学者がいました。ローゼンタールさんはある小学校で、こんな実験をします。名簿の中から無作為に数名をピックアップして担任にこう言ったのです。「この子はすごい!短時間で驚くほど伸びますよ!」。その子はとてつもない可能性を秘めていると説いたのです。1年後、ピックアップされた子供たちはなんと、飛躍的に伸びていたのです。

これは「人は期待された通りになる傾向がある」という、ピグマリオン効果と呼ばれているものである。船見は、ピグマリオン効果について次のように語っている。「相手に何かを望むなら、文句を言うよりも褒めがききます。例えば冷たい人に対して『貴方って冷たいよね』と言ったら相手はかたくなになるだけです。だったら効果を先取りして『貴方は優しい人だよね』と褒めてしまうのです。」

また、この方法は単発ではなく、何回も繰り返すことで行動に表れるようになるとのこと。相手に変化を促すならピグマリオン褒めでメッセージを伝えることが効果的だろう。

●自信と誇りを高めるサバイバルクエスチョン褒め

船見は、数多くのテクニックのなかで「サバイバルクエスチョン」というテクニックをよく使うそうだ。「なになに~どんなクエスチョン?」と思うことだろう。船見はそのクエスチョンについて次のように答えている。

「どんな質問かというと、『どうしてそんなに大変な状況の中で頑張ってこられたんですか?』『なぜこんな複雑な作業をすんなりこなせたんですか?』といった感じで、サバイバルできた理由を聞く質問技法なのです。またこのように質問することで『あなたってすごいですね!』『見事です!』と言っているのと同じ効果があります。質問という形をした『褒め』なのです!」

これはビジネスの世界でも同じである。大変なことを乗り越えた人に「すごいですね」「大変でしたね」と言っても味気ない。「どうやって乗り越えたんですか?教えてください!」と質問したほうが相手は誇りを感じることができるだろう。

●ハラスメント回避の「センス褒め」

最近は、見た目について口にするとセクハラやパワハラになるから、気をつけたほうがいいと耳にする。しかし、あまりに意識しすぎると返ってぎくしゃくしてしまう。ハラスメントは言葉そのものではなく、日頃の関係性やコミュニケーションが大きく影響すると、船見は答えている。

「見た目について言及してハラスメントになるかどうかは、日頃の関係性と言い方次第です。いい関係が築けているのであれば、見た目を褒めてもスーッと受け入れてもらえるはずです。ただし、体型や顔かたちについては誤解を招きやすいので、話題に触れないほうが無難ではないでしょうか。」

では見た目を褒めるにはどうしたら良いのだろうか。このような場合は、持ち物やファッションなどのセンスを褒めることが効果的とのことだ。「そのバックいい色だね。センスがいいね」「これは夫がプレゼントしてくれたんです」「ダンナさん、素敵なセンスしているねえ!」。このようなやり取りがあれば、そのバックを選んだ夫のセンスを褒めていることと同じである。

●本日のまとめ

船見は、編集者・記者時代に話を聞くという経験が豊富だった。しかし、相手によっては「表面的な話しかできない」「話がかみ合わない」といったクレームをつきつけられることもあったそうだ。このような経験を重ね、悩むことで、人の話を聞くことの意義や奥深さを知るようになる。職場では付け焼刃なテクニックではなく、まずは相手の話を聞くという姿勢が大切ではないかと思う。

最後に船見のメッセージを引用し結びとしたい。「私は、長年、自分を褒める『褒め日記』をつけています。寝る前に1日を振り返って自分を褒めると、心身の疲れもとれ気持ちよく眠りにつけます。そして目覚めもいいのです。自分を褒め続けたことで、自己肯定感がずいぶん高まったと感じています。褒め言葉がいかに力になるかを実感しています。ぜひ、楽しみながら、色々な人を『褒め』てみてください。」

参考著書
職場がイキイキと動き出す 課長の「ほめ方」の教科書』(左右社)

尾藤克之
コラムニスト

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