【映画評】アンフレンデッド

2016年08月05日 06:00
UNFRIENDED
ある動画がネット上に公開されたことが原因でローラ・バーンズが自殺してから1年。彼女の幼馴染と友人たちがスカイプで他愛ない雑談をしていると、見知らぬアカウントが死んだはずのローラとして話しかけてくる。やがてローラの死にまつわる嘘がひとつずつオンライン上で暴露されていき、友人たちが一人また一人と命を落としていく…。

 

ネットいじめから端を発し友人たちの欺瞞があばかれていくホラー・サスペンス「アンフレンデッド」。パソコン(PC)画面のみで構成される演出は、「パラノーマル・アクティビティ」などのポイント・オブ・ビューをより現代的にバージョン・アップしたものだ。画面構成で利用されるのは、Skype、YouTube、Facebookなどの身近なSNSのツールとウェブカメラなので、リアリティたっぷりである。SNS上のいじめを扱った映画では「ディス/コネクト」、全編をPCの画面で構成した作品では「ブラックハッカー」があるが、本作はその2つをミックスした新趣向だ。ローラの友人たちの偽善や嘘が次々に暴露され、一人ひとりが無残な死を遂げていく。その死の演出の工夫もさることながら、偽善が明るみに出たとたんに友人同士でののしりあう「UNFRIENDED」状態になるのが恐ろしい。死んだローラよりも怖いのは、生きている者たちが引き起こす恐怖なのだ。

死人のアカウントはさておき、SNSいじめとその顛末は、多くの国の若者たちの間で、すでに起こっている現象なのだろう。低予算ホラーの常で、無名の若手俳優たちのみの出演も、現実に起こりそう…というリアリティを煽ってくれる。見る前はまったく期待してなかったが、これはなかなかヒネリが効いた佳作だ。ただひとつだけ問題が。映像がすべてSNSの画面、時に分割しそこに字幕が被り…という状態なので、映画鑑賞としては非常に見づらい。83分の上映時間は限界ギリギリだろう。
【70点】
(原題「UNFRIENDED」)
(アメリカ/レヴァン・ガブリアーゼ監督/シェリー・ヘニッグ、モーゼス・ストーム、レニー・オルステッド、他)
(リアル度:★★★★☆)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2016年8月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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