【映画評】X-MEN:アポカリプス

2016年08月09日 06:00

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紀元前3600年、文明が誕生する前から神として君臨していた、ミュータントの始祖でもあるアポカリプスは、裏切りにあい、古代エジプトのピラミッドの中に封印される。しかし1983年、アポカリプスは長い眠りから目覚めた。人間と文明が堕落したと判断したアポカリプスは、新しい秩序をもたらそうと、マグニートーら4人のミュータントを“黙示録の四騎士”として従えて世界の破壊に乗り出す。プロフェッサーXやミスティークの率いる若きX-MENは、その流れを危険視しアポカリプスの計画を阻止しようと立ち向かうが、強大な力を持つアポカリプスに、プロフェッサーXが連れされられてしまう…。

世界最古にして最強のミュータントとの死闘を描く「X-MEN:アポカリプス」。この大人気アメコミシリーズは、過去に遡ったエピソードが多いのだが、第6作となる本作では、X-MEN誕生の瞬間を描いているので、シリーズを見続けてきたファンには非常に興味深い内容に仕上がっている。監督が第1作を手掛けたブライアン・シンガーなので、キャラクターへの深い愛情が感じられるのだ。特に、金属を操るマグニートーの悲痛な過去、ジーンの覚醒のプロセスは、原点を知る意味でも重要なエピソードだ。ついでに言うと、なぜプロフェッサーXがスキンヘッドなのかの理由も明かされる。

オスカー・アイザックが演じるアポカリプスは、神と崇められた最強のミュータント。大仰な立ち居振る舞いとせりふで本作に重厚感を与えている。何よりも最先端のVFXを使ったド迫力のビジュアルは必見だ。近頃のCG満載のアクション映画の特撮を見慣れている目にも、「X-MEN」シリーズのそれは単なる破壊ではなく非常に洗練されていて、感心する。ミュータントたちの死闘と世界崩壊の造形はそれぞれの特殊能力を活かしたもので、一瞬も目が離せない。音速を超えるスピードで動くクイックシルバーがゆっくりと学園の危機を救う様はコミカルかつスタイリッシュで大きな見所だが、実は彼は、ある重要キャラクターの息子。本作ではそのことがほとんど活きてなかったが、今後どう展開するかが楽しみだ。
【75点】
(原題「X-MEN:APOCALYPSE」)
(アメリカ/ブライアン・シンガー監督/ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、他)
(原点回帰度:★★★★☆)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2016年8月8日の記事を転載させていただきました(画像は20世紀フォックス映画提供)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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