TOBってなあに? もうかるの?③(完)

2016年08月13日 06:00

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TOBってなあに?

ちょい注意!
全部買い取ってもらえないバージョン

イオンディライトに続き、ココイチの株式の一部をハウス食品がTOBで買収するプレスリリースを見てみましょう。


ハウス食品グループ本社<2810>、壱番屋<7630>を公開買付けへ
https://maonline.jp/news/20151030g

ハウス食品グループ本社(東京都)は、持分法適用関連会社(所有割合19.55%)で「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋(東証1部および名証1部上場、愛知県)を連結子会社化するため、同社の株式を公開買付けにより取得することを決議した。

ハウス食品グループ本社は、壱番屋の連結子会社化により、お客様満足の向上及びカレーメニュー価値の向上、品質保証力の強化、調達・生産における協働、海外事業推進の強化、新規事業創出における事業シナジーを創出できるとしている。

公開買付の買付価格は1株あたり6,000円で、前日終値に対して11.7%のプレミアム。買付予定数は5,021,100株、下限は設定されておらず、上限は5,021,100株。買付予定価額は約301億円。

買付期間は平成27年11月2日から12月1日。

本公開買付成立後も引き続き対象者株式の上場を維持する方針であることから、買付予定数の上限を5,021,100 株(所有割合31.45%)とし、本公開買付けにより当該5,021,100 株の買付け等を行った後に同社が所有することとなる対象者株式(8,141,100 株)の所有割合は51.00%としている。


ハウス食品のプレスリリース

「株式会社壱番屋株式(証券コード 7630)に対する公開買付けの開始に関するお知らせを掲載しました」
http://housefoods-group.com/newsrelease/pdf/20151030_info_ichibanya.pdf

ココイチのプレスリリース
「ハウス食品グループ本社株式会社による当社株券に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1296491

1株6,000円で買い付けるようです。(10/30 の終値は5,370円)
買付予定数5,021,100株×6,000円=約301億円の予算ですね。

なお、このハウス食品のTOBは、先に挙げたイオンディライトのTOBのケースとは少し違う部分があります。

それは、「TOBへの応募株数が予定株数を超える場合は、その超える部分は買い付けはしないよ」ということ。全てを買い取ってもらえる保証はないので、売るタイミイングに注意が必要なのです。ハウス食品のプレスリリースによると、51%の取得で十分のようです。

つ・ま・り、イオンディライトが白青舎の100%の完全子会社化を目指しているのに対し、ハウス食品は、とりあえず当面はココイチの51%支配の子会社化(完全子会社化ではない)にとどめるということです(将来的にどうなるかは別として)。

持ち株割合を何%にするかは、法務的な判断や財務会計への影響、ビジネスの判断や株主への説明などを総合的に判断されますので、まさにケースバイケースといえます。

なお、TOBの場面では必ずしも、市場価格を上回る買付株価ばかりとは限りません。事実上、既存の大株主と握れている場合などで、一般株主分までの株式は必要ないような場合、市場価格を下回る株価で公開買付けがなされる場合もあります。

既存の大株主としては「市場価格より低い金額でも、市場で売るよりは、TOBで一括で売っちゃった方が安心だ。市場で大量に売ったらどれだけ値崩れするか分からないしね」というように市場での売却よりもTOBに応じた方が、メリットがあるような場合です。

買い手側も「もう大半の株は手に入るから、一般投資家分はいらねえ」みたいなケースで、市場株価より低い価格のTOBでも、買い手と既存大株主の利害が一致します。

また、TOBは必ずしも友好なものばかりとは限りません。経営陣や従業員が反対するようなケースもあります。例えば、ブルドックソースなどがありましたね。ホリエモンさんのニッポン放送のときも色々ありました。

ここではTOB価格と市場価格の差に関しての税務上の取り扱いについて詳細は書きません。TOB価格と市場価格に差があっても基本的には税務上の問題はないです。普通のTOBでは寄附金課税や受贈益課税の問題が生じる可能性はありません。

本日はここまで。

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[著]節税ヒントがあるかもブログ メタボ税理士さん
[編集]M&A Online編集部
本記事は、「節税ヒントがあるかもブログ」に掲載された記事を再編集しております。
原文をお読みになりたい方は、こちらから
http://ameblo.jp/h-k-tax/entry-12090046068.html


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2016年8月11日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

 

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