世界最大の多国籍複合企業体 ゼネラル・エレクトリック(GE)

2016年08月18日 06:00

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ゼネラル・エレクトリック(General Electric Company)は発明家トーマス・エジソンが白熱灯用の優れたフィラメントを発見し、1878年にエジソン電気照明会社を設立して以来成長を続けてきた世界最大の多国籍コングロマリット(巨大複合企業体)であり、航空機ジェットエンジン、医療機器、エネルギー・制御事業、水処理、運輸関連事業、石油・ガス産業向けソリューションなどの部門に別れ、それぞれの分野において世界No1かNo2であり続けることを経営戦略として掲げている。

GE業績推移

BE IN MARKETS WHERE WE WIN

GEといえば、1981年から2001年にかけてCEOとして采配をふるったジャック・ウェルチ元会長の「世界でNo.1かせめてNo.2になれない事業からはすべて撤退する」という方針が有名である。世界で一番手か二番手であれば市場を支配でき、製品を高く売ることが可能だが、それ以下では難しいという見方。

また、現在GEを率いるバロンズ誌が選ぶ「世界で最も優れたCEO」の栄誉に3度輝いたジェフリー・R・イメルト会長兼CEO(1982年にGE入社)の脱金融事業の方針もあわさり、さらに世界最高のインフラストラクチャーと技術の企業を志向し、選択と集中が進む。

そのため近年は、非中核部門であった金融・不動産部門と家電部門とメディア部門を売却し、その一方で仏重電大手アルストムのエネルギー事業の大半を買収、エネルギー・インフラの安定運用のための分析・ソフトウエア分野に投資するなど産業部門の比率を高めている。

1984年: 資源採掘事業売却
1976年に買収していた資源採掘企業ユタ・インターナショナル (UtahInternational Inc.)を、CEOをバトンタッチしたウェルチは上記経営戦略(No1 No2戦略)をふまえ利益がでていたにも関わらず売却し、その売却益でコア事業を強化。

1987年: テレビ事業と医療機器事業交換
GEのRCAブランドのテレビ・家電事業を仏テクニカラー(Technicolor)旧トムソンに譲渡、その代わり医療機器子会社トムソンCGRを取得(事業交換)しヘルスケア部門を主力事業に現在まで成長させ強化。

1992年: 航空宇宙事業売却
衛星レーダーなどの航空宇宙事業をロッキード・マーチン(旧Martin Marietta)に売却。

2005年: 保険事業売却
再保険世界5位のGEインシュランス・ソリューションズをスイス・リー(スイス再保険)に売却。

2013年: メディア・コングロマリット売却
NBCユニバーサル(2009年には経営から撤退)全株式をコムキャストに売却。

2014年: ガスタービン事業を買収
火力発電設備を中心とするエネルギーインフラと鉄道車両・システムの世界大手であるフランスのアルストムのエネルギー事業の大半を買収し、送配電・再生可能エネルギー(洋上風力発電・水力発電)、蒸気タービン・原子力事業でアルストムと折半出資の合弁会社を設立。一方、自社の鉄道信号事業をアルストムへ売却。ただし、アルストム株式の20%をフランス政府が取得することはGEにとっては大きな縛りになる。

当初予定のアルストムのエネルギー事業の全てを丸ごと買収できず、仏政府に足かせをはめられたのは手痛いものの、ガスタービン事業は世界でもGE、シーメンス、三菱重工、アルストムしか大手プレイヤーがいない非常に参入障壁の高い事業であり三菱重工やシーメンスではなくGEが買収した意味は同社セグメントNo1戦略からすると大きい。

2014年: 家電事業売却(2015年に合意が白紙へ)
利益が出ているにも関わらず、100年以上の歴史がある白物家電事業(洗濯機・LED照明)をスウェーデンのエレクトロラックスに33億ドルで売却予定だったが米司法省からの買収阻止の訴訟もあり合意を撤回。

2015年: 金融・不動産部門売却へ
製品販売に直接関係する金融サービス以外の金融部門を売却し、不動産資産・不動産事業も売却。

AAAの格付けが格下げされた原因であるこれら金融部門整理により、米国政府によるシステム上重要な金融機関の規制対象からはずれる見通し。

[著]アメリカ部、 [編]M&A Online編集部
本記事は、「アメリカ部」に掲載された記事を再編集しております。
全文をお読みになりたい方は、こちらから http://www.americabu.com/general_electric


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2016年8月17日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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