職場の労働環境を改善するのは誰の役割か

2016年09月12日 17:18

ブラック企業、サービス残業、正規・非正規の格差、長時間労働、過労死…日本の職場環境は悪い言葉ばかりが出てきます。労働環境の悪さに関する情報は毎日のように出てきますが、先日はTwitterでこのようなつぶやきを見つけたくらいです。

さて、労働環境の悪さの話題が出ると、ネット上では度々言われるのが「労働基準監督署に通報しろ」という助言です。労働基準監督署に通報することは確かに大事でしょうが、多くの人が御存知の通り労働基準監督署はそんなにすぐに動いてくれません。大きな違反でなければ対応に当たる職員の少なさから、どうしても順番待ちにならざるを得ません。

良い労働条件は自ら追求するしかない

労働基準監督署が働き過ぎ?

厚生労働省の「平成27年度個別労働紛争解決制度の施工状況」というページに書いてありますが、日本では労働相談件数が100万件を超えています。しかも平成27年で8年続けて100万件超えという状況です。毎年毎年100万件もの労働相談を労働基準監督署がさばけるでしょうか?現実的に不可能であることがわかります。

もし労働基準監督署がすべての労働相談に対応しなければならないとした場合、約3000人働いている職員それぞれが300件以上の労働相談に対応しなければなりません。休みなく働いたとしても毎日1件は処理しなければなりませんし、休みなく働く労働基準監督署職員なんて、ギャグでしかありません。

労働基準監督署に通報すること自体は労働相談を把握するためにも意味のある行為ですが、今そこにある労働環境の悪さを解決することには繋がりにくいのが現状です。ですので「労働基準監督署に通報する」と同時に労働環境を改善するための行動を起こす必要があります

月の残業10時間以下のSE会社

私の友人にあるSE系の会社を経営している人がいます。SEを現場に派遣しているのですが、2015年の月平均勤務時間は160時間程度だったそうです。ウェブサイトにも書いていますし、実際に彼にも話を聞いていますし、従業員の方とも遊ぶことがありますから間違いないでしょう。

しかしSE・システム業務といえば非常に激務な仕事で「デスマーチ」なんていう残業や深夜労働まで行うことがあるほどの業種として、多くの人も理解しているかと思います。にも関わらずどうして友人の会社は残業がほとんどない働き方を作ることができたのでしょうか。

知人いわく「できませんとはっきり言う」ことがポイントだそうです。サービス残業をすることをはっきりと拒否すること、場合によっては別の職場に行ってもいい、と言えばいいといいます。

つまりはっきりと理不尽な業務命令を断ること、これが残業のない良い労働環境を産んだと言えます。

労働環境をより良くするのは労働者の役目

日本の憲法には第13条に幸福追求権が規定されています。幸福になる権利ではなく、幸福を追求する権利があると規定されています。幸福になろうとすること、そのためにあらゆる努力を行って幸福を追求する権利を我々国民は有しています。逆に言えば、何もせずにお上に任せておいても、幸福を権利として享受できるか?というとそうではありません。

これは労働条件でも同じことが言えるのではないでしょうか。確かに悪質な経営者もいますし、違法なことをする経営者・管理職・労働者もいます。しかし、労働条件が良くなることをお上が規制し、是正してくれることを待っていても遅々として良い労働条件は降ってこないでしょう。

多くの労働者が劣悪な労働条件を改善するためには、労働者一人一人が少しずつ改善するために職場で意見すること、行動することが重要なのです。それは私の知人の会社が労働条件を良くすることができたことから見ても明らかです。

労働基準監督署に言うのもいいでしょう。しかし良い労働条件は自らが作るしかないのではないでしょうか。

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松本 孝行
セカンドチャンス 代表

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