ベンチャーとIPO、そしてバイアウトによるイグジット②

2016年09月21日 06:00

>>その1はこちら

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自らのベンチャー起業家になりたいという思いを出発点に、IPOを目指す起業家のサポートをする日本でも有数の法律事務所を設立・運営するフォーサイト総合法律事務所代表パートナー大村健弁護士。大村氏はIPOも増加する一方で、バイアウトによるイグジットも増えているという。最近のベンチャー事情を聞いた。

――現在の主要顧客は、どのような段階のベンチャー企業なのでしょうか?

IPO(株式上場)を果たした上場企業かIPO直前の企業が多いですね。一口にIPO直前といっても「直前前期」「直前期」「申請期」の三段階がありますが、最近はそれ以前からご依頼になる企業も増えてきました。ちなみに、この5年弱で20社以上のクライアントが上場を果たされ、10社以上のクライアントが東証一部に市場変更されました。

IPOのためには、監査法人の監査証明や主幹事を引き受ける証券会社が必要ですが、弁護士は直接的には必要ではありません。しかし、上場すれば、証券取引所の規則や金融商品取引法が適用されます。また、会社法についても上場している会社とそうでない会社では正反対といえるほど内容が変わります。ですから、まず、上場するのにふさわしい会社になる必要があるわけです。そのための手助けを得意としているのが私の経営している法律事務所ということになります。実は、こうした業務を手掛けられる法律事務所は、国内ではそれほど多くはないと思います。そのため、IPO関係者から上場前のベンチャー企業を紹介されることも多いです。

IPO直前の会社は勢いがあり、売上・利益は出ていますが、VC(ベンチャーキャピタル)から出資を受けるなどして、初めから上場ありきでつくった会社は別として、多くの場合は管理面が弱い。総務、経理、法務などは土台のようなものなので、そこがしっかりしていなければ、会社が大きくなったときに経営が揺らぎます。

10数年経営してきたベンチャー企業で最も多いのは公私混同です。まず、社宅、社用車、経費、そしてコーポレートカードの使い方を変えるところからスタートするのです。また、従業員とトラブルがあったり、社員教育を怠っていたり、残業の管理をしていなかったり、パワハラで訴えられていたり、請求書を送っただけで売り上げを立てていたりといったさまざまな問題を抱えています。そこで法的な観点から、内部の管理体制に関するアドバイスをするわけです。必要に応じて会計や財務などの専門家をご紹介しますし、証券会社や監査法人やIPOコンサルをご紹介することもあります。このような管理面の整備を始めると経営者の意識は変化し、上場企業らしくなっていきます。(次回に続く)

まとめ:M&A Online編集部

その1:ベンチャー企業に興味をもたれたきっかけとは?


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2016年9月20日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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