いよいよ本番。小池さんのヒット・アウェイ戦術に注目

早川 忠孝

これから本格的な小池劇場が始まるのだろう。

どんなに激しいバトルが展開されるのだろうか、と固唾を呑んで見守っていたのだが、都議会自体は粛々と始まったようだ。

小池さんと都議会議員の皆さんが大体同じ方向を見ているようだから、小池さんと都議会が激しく対立するという場面はこの都議会の期間中はなさそうである。

槍玉に上がるのは、目下のところ歴代の知事や知事の側近、あるいは都庁の幹部ということになりそうだから、小池さんは導入部分だけ務めて、後は都議会議員の皆さんに委ねるくらいでよさそうだ。

件の豊洲市場問題については、追及するのも矛を収めるのもまずは都議会の皆さんにお任せしたい、というくらいの緩いスタンスぐらいがいいのかも知れない。

都知事就任から2ヶ月くらいは前任者の問題だと言っていても許されるだろうが、いずれは、小池さんが都政の最高責任者としてすべての責任を引き受けなければならなくなる。

自分がやったことでもないのに政治的な責任を追及されることがあるのが、組織の長の辛いところだ。
落としどころを見極めないでただ闇雲にまっしぐらに突き進む、ということはどうも止めておいた方がいい。

都議会の皆さんにそれなりに出番を用意する、というのは知事としてそれなりに優れた手法である。

小池さんとしては決して前のめりにならず、出口が見えないことについてはあまり深追いをしない方がいい、ということだろう。

こういうことについては、橋下氏の助言が有効かも知れない。

失敗した経験がある人の助言は無視しない方がいいというのは、一つの大事な経験則ではある。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年9月28日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は東京都庁サイトより)。転載を快諾いただいた早川氏に御礼申し上げます。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。