【中小企業のM&A】企業評価の手法

2016年10月11日 06:00

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企業評価の手法

意外に思われる方が多いかもしれませんが、企業評価 (バリュエーション) に絶対的な方法はありません。企業評価の目的に応じて、ふさわしい企業評価方法を選択することになります。

たとえば、相続をするときの企業評価と、M&Aで第三者に会社を譲渡する評価では考え方が全く異なります。

相続税を払うときには国税庁が定めている「財産評価基本通達」という評価方法に従って評価することになりますが、M&Aで第三者に売却するときには会社の「のれん」が加味された評価額でなければ売却には応じられないでしょう。

また評価方法の選択は、M&Aの手法 (スキーム) によって決めるのでもなく、事業の特性や成長ステージ、その他企業の取り巻く環境などを鑑み、総合的に判断します。

さらに評価方法は、1種類のみ採用するとは限りません。1つだけ適用する「単独法」、複数の評価方法を組み合わせる「併用法」や「折衷法」などがあります。

さて概要はこのくらいにして、ここからが理論の話になります。

企業評価 (バリュエーション) をする際に着目するポイントは、大きく分けて次の3つです。

1.会社の保有している資産に着目する方法 (純資産価額法)
2.会社の収益またはキャッシュフローに着目する方法 (DCF法)
3.市場価値 (相場) に着目する方法 (類似会社比準法)

専門的な言葉で言えば、1をアセット(またはコスト)・アプローチ (AssetまたはCost Approach)、2をインカム・アプローチ (Income Approach)、3をマーケット・アプローチ (Market Approach) と呼んでいます。

企業評価の分類

着目するポイント(代表的な手法)〜手法を用いる上での注意点


・アセット(またはコスト)・アプローチ(純資産価額法)〜 成熟企業や衰退基調にある企業を評価する際などによく使われる。M&Aの際に重要なポイントになる「のれん」が加味されない。グループ内で株主変更を行う場合や、現物出資をする際には純資産法が優れている。

インカム・アプローチ(DCF法)〜成長企業を評価する際などによく使われる。企業が生み出す将来の予想利益を見積もり、その総和を企業価値とする企業評価方法は将来の収益を企業価値に織り込む評価方法は極めて合理的なため、M&Aの現場では最もよく活用されている。

マーケット・アプローチ(類似会社比準法)〜株式公開 (IPO) を目指している企業や上場している比較しやすい同業が存在する企業を評価する際によく使われる。自社に事業内容や規模が似ている会社を選択することがポイント。類似会社に比べて規模が小さい会社は、企業規模ディスカウントと称して、M&Aの現場では通常、この算定結果から1~3割程度ディスカウントされる。


それぞれの企業評価方法の中でもさらにいくつかの評価方法に分類されますが、複雑になりますので、興味のある方はご自分で専門書にあたってください。

M&Aを検討される方は、ここまで大枠を理解できれば十分です。

本記事は、株式会社ストライクコーポレートサイトより転載しております。

関連リンク
・【中小企業のM&A】企業評価と実際の売買価額はどう違う?
「のれん」を考える


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2016年10月8日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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