ビジネスと人生で必要なことは飲み屋から学んだ

2016年10月28日 06:00

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写真は著者の中山。

読者の皆さまは居酒屋は好きだろうか?新宿歌舞伎町に「樽一」という居酒屋がある。そこは、美味い料理と「浦霞金ラベル」が飲める店として、ビジネスマン、キャリアウーマンが、日々の疲れを癒やすために訪れているそうだ。本書は「樽一」が舞台になっている。

ストーリーは、仕事に悩んでいる人にだけに見える「お悩み解決居酒屋」という看板があり、悩める客が店員でありお悩み解決士でもある夏奈と出会い、飲食店オーナーの言葉、体験談で気づき、目覚めて成長していくといったビジネス小説である。もしドラ『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の飲み屋版といえば分かるだろうか。

本書は、アゴラ出版道場で講師をつとめる、城村典子(編集者、Jディスカヴァー代表)が企画構成を担当している。また、本書の著者である、中山マコト(以下、中山)は、経営コンサルティングの活動をしているのでご存知の方もいるだろう。今回は、中山に本書の特徴などについて聞いた。

■飲み屋は人の交差点であり結節点

――飲み屋で出される料理。料理は、どこからきた素材でつくられ、お店は、どんな経緯で食材を仕入れ、料理人は、どんな思いで料理をつくり、お店のスタッフは、それをどんな思いで運ぶのか。こんな思いをはせながら食事をしたら素晴らしいと思うことだろう。

「想像力を働かせ、お店の人との会話をすすめていくと悩みの答えがあるのです。ほとんど、すべての人の悩みの『答え』と言っていいほどのヒントがある。なぜ、飲み屋に、ほとんどの人の悩みの答えがあるのか?不思議に思いませんか。」(中山)

「本書は、自分の思いを人に伝える方法、組織の中で自分のプロジェクトを進める方法、お客様に喜んでもらえる方法についてまとめたのですが、方法論が書いてあるわけではありません。“気づき”の過程がわかる本なのです。」(同)

――人の悩みは千差万別だが、“気づき”の過程が分かるとはどういうことなのだろうか。

「大事なのは自分で解決方法を発見することです。飲み屋で、ほっこり温まりながら沢山の学びを吸収できる。そのようなビジネスのストーリーを9つ用意しました。9つのストーリーで論をつくっているのです。」(中山)

――ビジネスがテーマであれば違和感なく読むことができる。しかしなぜ、飲み屋を舞台にしたのだろうか。中山は、飲み屋は人の交差点であり、結節点だと主張する。そこには果てしないドラマがあり、限りない出来事が生まれ、育っていくものだと。

「ビジネスをはじめるとき、なにを重視しますか。ビジネスとは気持ちが合った人や企業同士が一緒にはじめるものです。そのためには、心の通じ合ったビジネスパートナーの存在が欠かせません。パートナーがいれば、必然的に事業ドメインが決まってきます。事業ドメインが決まれば展開するサービスも見えてくるはずです。」(中山)

「そして、事業を実行できる仲間がいたら楽しくありませんか。飲み屋は人の交差点であり、結節点ですから、そのような相手と出会ったら楽しいと思いませんか。お酒の席はフォーマルな場ではないと反論する方もいるでしょう。しかし、一つの機会と考えればまったく不思議なものではありません。」(同)

■あわせて仕事の合理性を追求する

――ビジネスをはじめるにはオフィスが必要と考えている人が多いが、まったくムダな考え方かも知れない。毎日1時間の通勤時間を使うとしたら、1週間で5時間、1ヶ月で20時間にもなる。1年であれば、240時間。1日の稼動を8時間とするなら、約30日間分のムダが発生することと同じだ。合理性という面から考えればムダなコストなのである。

「通勤途中で仕事ができると主張される人が居るかも知れませんが、なかなか集中はできませんし余裕も生まれないはずです。このムダな30日間は何ら生産性を生み出しません。30日間の時間が余っているなら、リフレッシュするために海外旅行に行ったほうが効果的です。もしくは自分がやりたい勉強に充てることも可能です。」(中山)

中山は、通勤を拒否し、コストの掛かる事務所も持たず、パソコンの近くで寝ているそうだ。自分にとって最も効率的で合理的なプランを志向することが大切だと主張する。

飲み屋で発生する幾多の出来事は、極論すれば”あらゆるビジネスのヒント”となり得ると主張する反面、仕事も合理的であることが望ましいと述べる。各々の判断が大切であることは間違いないが、ビジネスのスタンスを再確認するよい機会になり得るのかも知れない。

最後にもう一点。読み終わると、行きつけの飲み屋に行って一献やりたくなる内容に仕上がっているのが特徴である。秋の夜長はこれからである。「浦霞金ラベル」をご賞味あれ。

参考書籍
飲み屋の神様。ドラッカーなんていらない!

尾藤克之
コラムニスト

PS

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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