食べるM&A ミツカン 納豆業界の風雲児に

2016年10月31日 06:00

nattou

みなさん、ご飯のお供は何が好きですか? 家庭用ガスコンロや給湯器で知られるリンナイが今年の新米シーズンに向けて行ったアンケート調査によると、第3位の海苔と第2位のたらこ・明太子をおさえて、堂々の1位となったのが納豆。好き嫌いはわかれるところですが、日々の食卓に欠かせないという人も多いはずです。今回は、そんな身近な納豆業界に焦点を当てていきます。

納豆業界は地方の小さなメーカーが多い業界で、上位10社に入っていてもそのシェア率は一桁台のところがほとんど。そんな中、業界1位、「おかめ納豆」で有名なタカノフーズだけは群を抜いており、30%前後のシェアを獲得しています。このようにタカノフーズの独走状態が長いこと続いてきた業界なのですが、約20年前にミツカンが納豆業界に本格参入したことで業界の勢力図が少しずつ変化してきました。

ミツカンの納豆事業は、1997年に納豆メーカーの中堅であった朝日食品を買収したことに始まります。既に成熟していた納豆業界に後発として参入していくことはチャレンジングなことではありますが、ミツカンはこうした新たな挑戦を惜しまない会社といえるでしょう。これまでにもこのような挑戦を経て、「味ぽん」や「おむすび山」、「五目ちらし」といった家庭の食卓を変えるような商品をたくさん輩出してきました。実はビール事業やハンバーガーショップといった異業種にトライした過去もあるんです。

翌年の1998年には、食酢醸造で培ってきた菌の育種や発酵技術を活かし、「金のつぶ」シリーズを発売します。この商品が納豆業界に新風を吹き込むこととなったのです。

納豆は日本に昔からある伝統食品のひとつ。シンプルな食べ物だからこそ、その美味しさを追求することは当然として、その他の点で差別化を図っていくことが重要です。そうした意味でも納豆業界にイノベーションを起こしてきた「金のつぶ」シリーズ。そのすごいところを検証してみました。

におわなっとう

納豆といえば、気になるのがその特有のにおい。人に会う前にはなかなか食べたくても躊躇してしまうものです。そんな悩みを解消してくれるのが、この商品。約2万個の納豆菌の中から、納豆特有のにおいの元を作らないものを探し出したといいます。

ふたを開けてみると、納豆のにおいはほとんどしません。大豆の粒が大きめなのでふっくらとして食べやすいです。

ほね元気

納豆として初の特定保健用食品。骨の形成に深く関わっているビタミンK2を通常の1.5倍も多く生み出す納豆菌を使用しています。約3年もの研究開発を経て生み出された商品です。味は、いたって美味しい普通の納豆です。

パキッとたれ

納豆を食べるときに困るのが、たれの袋をきれいに開けられずに手や食卓が汚れてしまうという問題。この「パキッとたれ」はその名のとおり、液体のたれが入ったふたをパキッと割るだけで、たれが簡単にかけられます。手も汚れにくいうえ、このパキッという感触はちょっとくせになる楽しさです。

このようなアイデアにあふれる商品開発で納豆の一大ブランドとして成長していった「金のつぶ」シリーズですが、ミツカンはさらなるM&Aによってさらに市場シェアを拡大させていきました。2009年には「くめ納豆」を、2011年には「なっとういち」を買収し、今ではタカノフーズと肩を並べる存在にまで成長しています。

ミツカンは2014年にパスタソースの「ラグー」と「ベルトーリ」の2ブランドをユニリーバ社から買収しました。パスタソース市場でもどんなイノベーションで私たちの食卓を豊かにしていってくれるのか、これからもミツカンから目が離せません。

文:M&A Online編集部


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2016年10月30日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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