社内にはびこる“自分に酔うリーダー”に気をつけろ

2016年11月01日 06:00

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写真は講演中の石川和男氏

晩秋を迎えた。気象学では11月は秋に分類され冬に移行する季節である。末頃になれば霜が降り紅葉に変わってくる。色づいた紅葉が散る頃には暖房がはいり冬を迎える。企業も年末を前に色々と慌しくなる。年末の締めや翌年以降の事業計画、人員計画などが急ピッチで進められる。多くのビジネスパーソンにとっては慌しい時期になる。

「疲れていては楽しく充実した日々は過ごせません!」と語るのは、税理士の石川和男(以下、石川)氏。大原簿記専門学校の人気講師であり、企業の総務経理担当部長もつとめるなど、多くの仕事を掛け持ちしているスーパーサラリーマンである。

■武勇伝とは自分に酔い悦にひたる姿である

――上司になる人物は、何かしら過去の栄光、いわば武勇伝が豊富だ。武勇伝は多くの場合、自慢話にとらえられるから嫌がられる。もし、あなたの上司がこのような武勇伝をもっていたらどうするだろうか。上司の自慢話に相槌を打ちながらキラキラ輝く瞳で聞いてあげたくてもなかなかできるものではない。

石川は武勇伝を語る上司について以下に述べている。武勇伝にはメリットは存在しないということである。

「あなた自身は部下に自慢話、武勇伝を語ることを控えなくてはいけません。理由は部下に嫌われないためではなく、情報から取り残されないためです。リーダーになると、チームのなかで自分が一番仕事ができると勘違いをしてしまいます。それが続くと部下の話に耳を傾けなくなります。」(石川)

「今でこそ意味のないプライドは捨て、分からないところは部下に聞いています。しかし当時は、私が部下に教えてもらうことなど上司の恥とさえ思っていました。部下に教わる上司などかっこ悪い。そんな自分が耐えられないとさえ思っていました。」(同)

――これは、多くのリーダーや管理職の人にとって分かりやすいケースではないだろうか。このようなリーダーの多くはプライドが高く、部下に弱みを見せることができない。仕事もすべて抱えてしまうから、部下はなかなか成長しない。

コンサルティング会社であれば、優秀な部下は、上司を凌駕する存在になるだろう。クライアントが求めれば、上司を飛び超えて部下に直接依頼がはいることもあり得るからだ。報酬は成果に紐付いているため上司の降格など日常茶飯事だ。しかし、多くの普通の会社では、部下は上司のポストを脅かす存在ではない。

「仕事が速く有能なリーダーは自分の強みや弱みについて理解しているものです。部下に教えを請うことにも抵抗がありません。全ての人から学べることがあると考えるからです。さらにリーダーとは色々なことに精通していて知識も豊富でなければいけないと考えて、電車やバスのなかで勉強に励むような勤勉の人が多いと思います。」(石川)

■リーダーとは単なる役割である

――リーダーに関する書籍は多く、リーダー育成プログラムなども豊富である。しかし、リーダーとは単なる役割であり職責にすぎないことを簡単に説いたものは少ない。変化のスピードが激しい時代において成功は過去のものにすぎない。

リーダーは部下との関係性を上手く構築することが必要である。部下を立て自分は表に出ずに補佐役に徹することでマネージメントは機能していく。石川は次のように述べている。

「自慢話に酔う暇があったら、部下からひとつでも多く仕事のノウハウを聞き出して、仕事のスピードアップに役立ててください。仕事が速いリーダーは、知らないことを誰からでも謙虚に学ぶことができます。」

石川の新刊
仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』 (明日香出版)

尾藤克之
コラムニスト

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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