ジョナサン元社員が語る~すかいらーく吸収合併の舞台裏(上)

2016年11月06日 06:00

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ジョナサンといえば、言わずと知れた人気のファミリーレストランである。お手頃価格でアットホームなレストランとして1980年に第1号店を出店。 1986年には株式を公開して順調に業績を伸ばしてきた。しかし親会社のすかいらーくの業績が急速に悪化。吸収合併に伴い、2012年に企業としてのジョ ナサンは姿を消した。大手企業による子会社合併はよくあるM&Aの風景だが、現場で働く従業員には、大いなる負担が生じることもある。約30年間 ジョナサンに勤務した元社員のAさん(50代・男性)は吸収合併の舞台裏を赤裸々に語った。

「ジョナサンはもともと人を大事にする社風で、売り上げよりも客数を重視していました。一方、すかいらーくは売り上げ至上主義。2012年1月に吸収合併され、運営方法をすかいらーくに合わせることになるとジョナサンの現場は大混乱に陥りました」

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Aさんは約30年前に中途採用でジョナサンに入社。店長や本部の管理部門の要職を歴任した。トップからもしばしば声をかけられるというアットホームな社風で、忙しくも充実したサラリーマン生活を送ってきた。

転機が訪れたのは2011年の年末。人事部に急きょ呼ばれて本社勤務を言い渡された。ブランドの責任者として統合の陣頭指揮をとるように命じられたのだ。そこからAさんの苦難が始まった。

「ジョナサンとすかいらーくでは店舗の運営方法がまるで違いました。例えば、使っている言葉。すかいらーくでは店長のところ、ジョナサンではマネジャーと 呼ぶ。情報伝達方法も違う。ジョナサンは本部と店舗が電子メールでやり取りしていたが、すかいらーくは電話とFAX。ジョナサンの社員は自分たちのやり方 に自負があったにも関わらず、制度は親会社に合わせないといけませんでした」

ジョナサンは黒字経営を続けており、すかいらーくグ ループのなかでは優良な子会社だった。ところが、親会社のすかいらーくが苦境に陥ったことを機に、2006年、投資ファンドの野村プリンシパル・ファイナ ンスと創業家の横川家がMBO(経営陣による買収)を実施。株式上場を廃止して経営再建に取り組んだ。

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しかし、08年、創業家の横川竟(きわむ)社長がサントリーに株式取得を持ちかけたことが判明。これに野村側が反発し、横川社長が解任される事態となった。Aさんは当時の様子をこう振り返る。

 「横川竟社長が解任されると社内は大騒ぎになりました。すかいらーくは平成に入ってから、どんどん店舗を拡大しましたが、特に地方が不振で、売り上げが半 分になった店もあります。09年には、すかいらーくブランドの店舗を全て閉じることになりました。その後、親会社が野村プリンシパルから米投資ファンドの ベインキャピタルに変わりました。当時のすかいらーくは赤字。黒字で無借金経営のジョナサンを本体に取り込むことで、経営再建につなげたかったのではない でしょうか」

ジョナサン元社員のAさんはすかいらーくの吸収合併以降、ほぼ毎週、会議で1週間ごとの数字を報告し、原因を分析、 対策を講じることを求められた。数少ない人数でなんとか結果を出さなくてはいけない・・・。疲労と緊張が極度に達する毎日が続いた。混乱が続くなか、会議 で言われたある一言がAさんを「負けてなるものか」と発奮させるのであった。(次回に続く)

取材・文:M&A Online編集部


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2016年11月5日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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