頭がいいってどういうこと?って聞かれたら

2016年11月06日 06:00
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写真は向谷氏(BOOKSCANより引用)

「僕は頭が悪いから」「僕には無理だから」。劣等感か自信がないのか、このような言い方をする子供がたまにいる。実は彼らの「頭がいい」の尺度は単にテストの成績であり、本質とかけ離れていることが多い。

しかし、劣等感は人格にも影響し、自信の持てない人間になってしまうことが懸念される。だから、こういう子供に接するときには、「キミはとても素晴らしいじゃないか!」と声をかけるが素直に受け取ってもらえないことがある。

このような状況のとき、何と答えるべきなのか。実は、非常にわかりやすい回答があるのでそれを紹介したい。浄土真宗本願寺派僧侶、保護司、日本空手道「昇空館」館長も務める、向谷匡史(以下、向谷)氏の見解である。

■「頭がいい」の固定観念を壊す

――「頭がいい」という定義は単純ではない。記憶力の良さもその範躊に入るだろうし、一を聞いて十を悟る人、コンサルティングのような、概念的思考、情報志向、統合・分析・整理して解決策を見いだす能力も「頭がいい」になるからである。

「『テストの成績=頭がいい』という固定観念を壊すことからはじめます。たとえば、こんな問いかけです。『短距離ランナーとマラソン選手とでは、どっちが足が速い?』。100メートルであれば短距離ランナーの足が速い。でも、42.195キロとなればマラソン選手が速い。土俵が違えば比較はできないという、わかりやすい例を投げかけます。」(向谷)

「次に、『宇宙飛行士と、総理大臣と、会社の社長と、学校の先生と、塾の先生と、お医者さんを、頭のいい順番で答えてください』と問いかけます。彼らは混乱します。『テストの成績=頭がいい』が尺度だから当然です。」(同)

――固定観念にヒビを入れておいて、「頭がいいというのは、テストの成績ではないんだ。”何をどうすれば、どうなる”という解決の道筋が立てられることだ」と理解をさせる。

「もちろん、これだけでは理解できないでしょうから、具体例として、試験の点数を上げたいと思えば、頭のいい人は何をどうすればいいかを考える。キミならどうする?と聞きます。そうするとほとんどの人は『勉強をする』と答えるはずです。」(向谷)

「次に走るのが速くなりたければ、頭のいい人は何をどうすればいいかを考える。キミならどうする?と聞きます。そうすると『頑張って練習する』と答えるはずです。」(同)

――「頭が悪い人」とはどういう人か?を整理すれば、「どうやればいいか考えない人」「練習をしない人」ということになる。「君はどちらだ?」と聞けば、子供なりの解釈で「頭がいい」という意味が理解できることだろう。また、最初に思い込んでいた、「テストの成績=頭がいい」が間違った解釈であることもわかるはずだ。

■他への応用方法

実はこの方法は上手く転用すれば日頃のマネジメントにも応用できる。

「私には無理です」「能力がありません」。謙遜か自信がないのか、このような言い方をする人がいる。同じように固定観念を壊して、わかりやすい例を投げかけて意識付けをすれば効果的だろう。意味がわかれば、「私には能力が~」という言葉は出なくなるはずだ。

本書は、子供向け教育に書き上げられたものだが、ケースにリアリティがあることから大人にもお勧めできる。上司のコネタとしても役立ちそうだ。物事を鳥瞰することで正しい道筋を見つけられるかもしれない。

参考書籍
考える力を育てる 子どもの「なぜ」の答え方』(左右社)

尾藤克之
コラムニスト

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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