まだ出版コンサルティングで消耗してるの?冷静に検討すれば

2016年11月14日 11:30
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アゴラ出版道場最終日の様子

2015年に国内で出版された書籍と雑誌の販売額が、前年より約5%減の1兆5200億円程度にとどまった。これは、市場のピークが1996年(20年前)の2兆6563億円の約6割に落ち込んだことを意味している。

しかし、出版不況といわれながらも出版には根強い人気があり、特にビジネスを指南するビジネス書の市場は活性化している。ビジネス書は、自己啓発、経営、マーケティングなど、分野は多岐に渡るが、サラリーマンや主婦の書いたビジネス書がベストセラーになるなどプレゼンスの高さに注目が集まっている。

ニーズを確信した出版道場

そんななか、開講したのが「アゴラ出版道場」だった。10月に開講し、第1期講座が11月12日(土)に修了した。今後、修了生は各出版社との打ち合わせが始まる。著者になるための重要フェーズに移行するが、何名の著者がデビューするのか楽しみでもある。

今回の「アゴラ出版道場」を通じて感じたことがある。アゴラでは業界で初(恐らく日本で初めて)の取組みとして、出版とWEBライティングとの組み合わせによるブラッシュアップをおこなった。

まず、出版企画書を作成する段階で、得意領域の記事を2000文字以内で書いてもらう。出版企画書を構成する段階でのポイントは2つあると考えている。1つめは、出版企画書のテーマにがニーズに合致しているかという点。2つめはテーマに対する反響である。

アゴラでは受講生が作成した記事をWEBメディアに掲載して反響を募った。その結果、テーマに対するニーズをより客観的に俯瞰することができた。次にアクセス数やリアルタイムツイートを分析することで、よりリアルスティックな声を拾うことができた。

アゴラは月間で、単体約1000万PV(総トータル約4000万PV)をほこる、オピニオンサイトとして日本を代表するWEBメディアである。その強みを、最大限活用することを目的として「アゴラ出版道場」を開設したが、その狙いは間違っていなかったと確信できた。業界でいままでにないタイプの強みを訴求できるのではないかと考えている。

出版コンサルティングの問題点

いま、周囲を見渡せば、出版コンサルティングを標榜する方々が非常に増えている。しかし、その多くは実績が乏しく、なかには詐欺まがいな業者も少なくない。実際、国民生活センターのHPには様々なトラブルの事例が公表されている。

いまの出版コンサルティングには、大きく2つの課題があると考えている。1つはコンサルティング料金がべらぼうに高額である点にある。ほとんどの業者は50万円以上、高い業者であれば、100万円以上のところも少なくない。

さらに、出版社の体力が落ちているため難易度が高まっている点にある。出版社は有利な条件として、著者買取(出版部数の買取)を求めてくる場合がある。出版社にとって商業出版は投資になるので、売上げの見込みが立ちにくい著者は合意することが難しい。

仮に、定価を1500円とした場合。著者購入費は定価の80%の1200円になる。1000冊程度の買取を求められたら、それだけで120万円の費用が掛かるということになる。これに、出版コンサルティングのフィーが計上されることになるから、とんでもない額になるわけだ。カローラの標準モデルなら1台買えてしまう。

第2の課題は低い重版率にある。せっかく商業出版を果たしても重版率は10%~15%といわれている。1冊目が売れなければ2冊目を出すことは困難になってしまう。多くの著者は、本を出すことに終始してしまうため、本を出してからのプランニングは皆無に等しい。

情報を収集して正しい判断を

たまに、個別に出版社にアタックしている方を見かける。気持ちは分かるのだが無駄な時間かも知れない。出版社の編集者は多忙である。日々の編集業務に追われており一般的なビジネスパーソンと比較してもかなりハードワークである。それでも、編集者の元には毎日多くの出版企画書が送られてくる。

まず、編集者がこれらの出版企画書に目を通すことは稀有であると考えたほうがよい。編集者は新しい著者を常に求めているが、これは編集者や同業者の紹介のみに成立するものであり紹介がない場合は難しいからである。

ビジネス書を出版することのメリットとはなんだろうか。ビジネス書は無名の人が自分のビジネスを飛躍させるために出版することが多い。デジタル化が進んだいまでも出版することの意義は非常に大きいのである。

著書が書店に平積みや面置きされていることは、自分の名刺が書店に置かれていることと同じ効果がある。著書はお客様を訪問する際、セミナー、勉強会などで名刺と一緒に渡すことも可能である。書店売上ランキングにランキングインすれば快感以外の何者でもない。アドレナリンが一気に噴出される。

著書は信頼を高め自分を効果的にPRするためのツールになるわけだ。そのように考えると、あらゆる職業の人にとって出版は魅力的な施策であるといえるだろう。

尾藤克之
コラムニスト

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アゴラ出版道場、第1期の講座が11月12日(土)に修了しました。今後は各出版社との打ち合わせが始まります。12月からは毎月1度のペースで入門セミナーを開催します(次回は12月6日開催予定。すでにお申し込みの方が増えております)。

なお、次回の出版道場は、来春予定しています。

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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