詐欺師が好む、マッキンゼー流テクニックとは?

2016年11月19日 06:00
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photo-ac.comより引用

電話などで架空の儲け話を持ちかけて、金を騙し取る詐欺被害が続発している。たとえば、ギャンブル系の投資話をもちかける。最近も、競馬情報を提供する業者から「すでにレースの着順が決まっている八百長レースがあります」という話を持ちかけられて、情報料として騙し取られる事件があった。ワルは、どのような話術で相手を陥れるのだろうか。

キャッチセールスなどの悪質商法の実態に詳しいルポライター、詐欺・悪徳商法評論家として活躍している、多田文明(以下、多田)氏の著書『ワルに学ぶ 黒すぎる交渉術』(プレジデント社)は、悪徳商法における「人の心の動き」についてまとめられた、興味深いルポルタージュでもある。

■静かな日常にそいつらは突然やってくる

競馬は公益ギャンブルであるにもかかわらず、「必ず勝てる情報がある」という、にわかには信じられないような話を、どうやって相手に信じさせるのだろうか。多田は情報収集のために、競馬の勝ち馬情報を教えてくれるというサイトに会員登録したことがあるそうだ。

「登録の翌日に業者の男から電話がありました。そして、あなたに競馬で稼ぐために伝えたい大切なことがありますと。なにかと聞くと、それについては、明日お電話します。楽しみにしていてくださいと切りました。男は翌日、それが何かを話しました。大相撲の八百長問題はご存じですね。それと同じことが、競馬でも行われています。知っておいてほしいのは、競馬情報会社の存在です。」(多田)

「当社はこの会社から特別情報を手に入れています。JRA(日本中央競馬会)は表向きで、仕込みレースでは、やらせ馬が勝てるように枠順が決められているのです。そんな話を聞かされても信じられませんよねと話すと。『今週末のレースの極秘情報を手に入れられるので改めて説明します』と電話を切りました。」(同)

翌日になると、男から次のことを言われる。「情報を他言しない「このレースでの馬券の購入はしない」「JRAなどに仕込みレースがあるかなどと、クレームをしない」。この3つについての誓約を求められたそうだ。そして、着順まで教えるには、300万円が必要だと言う。入会を断るが、多田はあることに気がついていた。

■そのヒントは「マッキンゼーの流」にあった

多田が気がついたこと。それは「3」というキーワードだった。これは、コンサルティング会社、マッキンゼー社が得意とする手法である。顧客企業などへのプレゼン資料やトークにおいて「3」がマジックナンバーになっていることはよく知られている。

これは、「3」という数字が、人間にとって最も受け入れられやすい点にある。この手法は、主に自分の意図するところを相手に的確に伝えたいときに使われる。3つの枠組みを準備することで、自分の話を相わかりやすく理解させることができる。

「この業者の場合、仕込みレースなどというウソの話を持ちかけているので、詐欺ですがが、このテクニックは、一般のビジネスシーンでも使えるものです。自分の話が相手に伝わらないと感じている人は、次のようにすると良いでしょう。『理由は3つあります』『重要なことは3つです』『お伝えしたいことは3点です』。不思議とそれらしく聞こえて、説得力がアップすることもあるでしょう。」(多田)

本書には、悪い人(犯人)がどのようにして相手をだますのか、そのプロセスと、マインドをコントロール方法が分かりやすく整理されている。また、ワルの使うテクニックから、「事件」「詐欺」という要素を除けば、私たちが使えるテクニックが満載されているのだ。いまの時代、多くの人が知っておくべき内容ではないかと思う。

尾藤克之
コラムニスト

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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