町工場は今 東京・墨田(上)事業所数、最盛期の3分の1 500社が廃業検討

2016年11月22日 06:00

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経営者の高齢化や若者の製造業離れなどを背景に後継者が見つからず廃業する中小企業が増えています。このまま放置すると、大切な技術が失われ国内産業の衰退を招くほか、地域の雇用や税収にも深刻な影響を与えかねません。こうした中で、経営者や自治体はどんな対策を打とうとしているのでしょうか。第一弾として町工場が集積する東京都墨田区の実態を調査しました。

最初に訪れたのは、墨田区内にある吾妻橋。隅田川の先に日本一の電波塔、スカイツリーがそびえたつ光景は有名なフォトスポットになっています。浅草にスカイツリーと、東京で1,2を争う観光地で、一帯には連日多くの人々で溢れています。

吾妻橋から見える墨田区の風景

スカイツリーもとても素敵ですが、墨田区の魅力はこれだけではありません。昔ながらの街並みや、日本で有数の町工場のまちでもあります。

墨田区の産業は、金属製品、機械器具、繊維、皮革、印刷と、その業種は様々で、家族経営など9人以下の会社は区全体の9割をしめています。大消費地・東京を長い歴史の中で支えてきました。

しかし、円高、グローバル化を始めとした産業の空洞化を受けて、その工場の事業所数は激減。最盛期の1970年に9700社ほどあったものの、現在は3000社ほどになっています。

後継者育成へ塾、シェアスペースも

その流れを食い止めるべく、墨田区では後継者育成に力を入れています。後継者になる人たちが、業種を超えて学び合う「すみだフロンティア塾」は、今年で13期目となる勉強会ネットワークです。従来のような、座学形式だけではなく受講生同士が意見を交わし合うワークショップなどが特徴的で、これから会社を背負っていくという同じ気持ちを持った、仲間たちのような関係にも見えます。

この勉強会の卒塾生の中には、産業のイベントを色んな主体と連携して立ち上げたり、ものづくりができるシェアスペースなど民設民営の支援施設をつくったりして、地域産業の活性化に取り組んでいる方々がたくさんいます。

墨田区内にあるシェアスペースにはものづくりの機材を設置している

けれども、このように様々な取り組みを行っている方々がいる一方で、高齢化、後取りの不在、経済状況などに直面し、廃業を考えている企業が500社ほど存在するのも現状です。

日本を支えてきた、中小企業の方の思いや技術を失わせないために区としてはどのようなことを行っているのでしょうか。次回は、その取り組みに着目します。

取材・文:M&A Online編集部


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2016年11月20日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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