町工場は今 東京・墨田(下)資産譲渡、区がマッチング 廃業者と譲受希望者を仲介

2016年11月25日 06:00
隅田川

隅田川

町工場は今 東京・墨田(上)(※記事はこちら)では、墨田区の産業と後継者育成についてまとめました。今回は、事業承継の取り組みについてさらに詳しくみていきます。

墨田区内の様々な産業に関わる人々が、自分の会社の今後についてどう考えているのか。2013年の、産業活力再生基礎調査(※注)によると、区内製造業約 3000社のうち、「後継者がなく廃業を検討している」と回答した企業が500社以上存在することが明らかになりました。

このような状況を踏まえ、これまでの技術や人の思いを失わせないために、様々な事業承継の支援に取り組んでいます。

(※注) 産業活力再生基礎調査 2013年、墨田区内製造業対象。経営上の課題や後継者の有無、廃業・事業譲渡の意向や工場などの設備の保有状態をはじめとした実態調査

墨田区地域内事業承継のスキーム

(墨田区HP 平成26年度地域内事業承継支援事業実施報告書より抜粋)

(墨田区HP 平成26年度地域内事業承継支援事業実施報告書より抜粋)

中心となるのは、承継資産マッチング支援です。これは、廃業を考え、土地や工場、設備や人材などの資産の譲渡を希望する事業者と、それらの譲り受けを希望する事業者とのマッチングを支援するものです。

2014年度では、譲渡希望企業が16社、譲受希望企業が22社ありました。そのうち、最終的にマッチング支援を希望した譲渡希望企業は8社で、年度内に成立したのが1社、継続中であったのが4社でした。

また、譲受希望企業は22社のうち、年度内に成立したのが1社、継続中が12社でした。

支援計画書に基づいて様々な支援を展開する

(墨田区HP 平成26年度地域内事業承継支援事業実施報告書より抜粋)

(墨田区HP 平成26年度地域内事業承継支援事業実施報告書より抜粋)

他にも、事業承継についてのコンサルティングや廃業などに伴う債務整理など、確実に引き継いでいくために、あらゆる角度からのサポートを行っています。

また、これらは墨田区だけでなく、国や都、商工会議所や金融機関など様々な主体と連携して取り組んでいます。

産業の衰退が深刻化する中で、墨田区では後継者をはじめとした人材の育成や、事業の継承など、様々な支援をしていることが分かりました。

一方で、廃業を考えている企業のうち譲渡や譲受を希望する企業はまだまだ多くありません。区の取り組みがもっと多くの中小企業経営者の元へ届くよう、情報発信の強化や使い勝手の向上が課題と感じました。

今ある大切な技術や人の思いを人から人へつないでいくため、他の地域ではどのような取り組みをしているのでしょうか。これからも調査を続けてまいります。

取材・文:M&A Online編集部


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2016年11月23日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

関連記事

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑