感謝祭の後にやってくる、ギビング・チューズデーとは?

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11月24日の感謝祭といえば、英語でサンクスギビング・デーですよね。翌日のブラック・フライデーといえば、語源は別としてクリスマス商戦に向け大売り出しを開始する日で知られています。今年のブラック・フライデーはというと、感謝祭と合わせ客足が鈍った事実が浮き彫りとなりました。ショッパートラックは前年比1%減リテールネクストは小売店舗の売上高が5.0%減、決済量は7.9%減と報告しています。

ただし、オンライン売上高となれば話は別。アドビによると感謝祭とブラック・フライデー合わせて前年比17.7%増の52.7億ドルに達し、ブラック・フライデーのみで21.6%増の33.4億ドルと初めて30億ドルの大台を突破しています。感謝祭は19.3億ドル。モバイル端末での売上高は33%増の12億ドルと、こちらも初めて10億ドルの大台を越えていきました。

全米で最大のオンライン売上高を誇る日こそ、感謝祭明けの月曜日にやって来るサイバー・フライデーです。今年前年比10.2%増の33.9億ドルと、過去最高を更新。わずかながらブラック・フライデーの売上を上回り、オンライン売上高の王座を死守しています。モバイル端末での売上高は48%増ながら、ブラック・フライデーに届かず11.9億ドルでした。11月1日から28日の売上高はというと7.4%増の399億ドル、11月からの28日の間に売上高が10億ドルを突破したのは27日に及んだといいますから業者としてはホクホクでしょう。

ネット販売が絶好調とはいえ、安心してはいられません。こちらでご紹介した通りホリデー商戦全体に占めるオンライン小売売上高の割合は2割程度です。小売店での健闘が命運を決めるだけに、オンライン小売売上高が史上最高というヘッドラインに踊られては消費動向を見誤りかねません。28日のS&P500セクター別動向で消費関連が弱かったのも、オンライン小売売上高以外に目を光らせた事情が伺えます。

感謝祭でお腹をいっぱい膨らませ、ブラック・フライデーなどで買い物に明け暮れれば、罪悪感に襲われるかもしれません。米国では、そんな善良なる市民の間で、”ギビング・チューズデー”が広がりつつあります。

ギビング・チューズデーとは、NYの非営利団体 92ndストリート Yが2012年から起こしたムーブメント。ホリデー・スピリットを恵まれない方々へ届けるため自身が選んだ団体に寄付をしたり、周囲の人々を手助けする日なんですね。

#Givingtuesdayのハッシュタグで検索すれば、寄付を募る団体がザクザク出てきます。

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(出所:Twitter)

家族に感謝する日がサンクスギビング・デーなら、ギビング・チューズデーは友人・知人に感謝する日と位置づける方も少なくありません。感謝の気持ちを形にするため、ちょっとしたギフトを手渡すこともあるようです。非営利団体が火付け役のこのイベント、果たして定着するのでしょうか?少なくとも小売店は便乗する可能性が濃厚です。

(カバー写真:Yelp Inc./Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年11月29日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。