日産自動車がカルソニックカンセイを売却する理由

2016年12月02日 06:00

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カルソニック株を米投資ファンドへ売却

日産自動車<7201>は11月22日、連結子会社のカルソニックカンセイ<7248>の普通株式40.68%を米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると発表した。

KKRは傘下の投資ファンドが保有する特別目的会社CKホールディングスを通じて公開買付け(TOB)を行い、残りの発行済み株式についても全て取得する意向だ。TOBの実施は、2017年2月下旬を予定している。

今回の売却理由とは?

日産は、連結決算において約1,140億円の投資有価証券売却益を特別利益に計上する予定であり、今回の株式売却で得た資金を「電気自動車(EV)」、「先進運転支援システム(ADAS)」、「人工知能(AI)」等の研究開発などに投資する方針だ。

カ ルソニックは、売上高の約84%が日産向け(15年度末時点)を占める日産系列最大の自動車部品メーカーである。今回の日産による保有株式売却により、同 社依存から脱却し、他社との提携や新規市場の開拓を通じて規模拡大を目指す。また、製品ごとの寡占が進んでいる自動車部品分野での競争力を高めるため、 サーマル機器や空調など得意分野でのシェア拡大を図る。

売却プロセスについて

2016年4月から交渉を始めたが、事業会社への売却を模索するもうまくいかず、最終的にはKKRを含めた数社の投資会社が2次入札に残った模様 だ。最終的に合意したKKRの提示価格である1,860円という公募価格は、以下のとおり株式価値評価としては大きなプレミアムを見込んでいる。

・市場株価基準法(基準日1):923 円~1,322 円
・市場株価基準法(基準日2):861 円~1,030 円
・類似会社比較法:1,149 円~1,540 円
・DCF 法:1,572 円~1,960 円
※カルソニックカンセイ開示資料より

また、KKRには日産のゴーン体制開始時に副社長だった松村矩雄氏が在籍しているため、今回の決定に少なからず松村氏の存在が影響しているのかもしれない。

カルソニックカンセイの株価推移

カルソニックカンセイの株価は買い付け価格の1860円にさや寄せする動きが続いており、11月29日時点で1770円付近まで上昇している。

※株価はブルームバーグより取得

※株価はブルームバーグより取得

文:M&A Online編集部


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2016年11月30日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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