オランド氏が遂に2017年大統領選不出馬を宣言

2016年12月03日 06:00

現フランス大統領のフランソワ・オランド氏(François Hollande)が、来年春行われるフランス大統領選挙に出馬しない意向を遂に昨日明確に表明した

ルモンド紙の記事が引用しているオランド氏の発言を孫引きすると、オランド氏が辞退するのは

ce qui est en cause, ce n’est pas une personne, (mais) c’est l’avenir du pays (私が辞退するのは)誰かの為ではありません。国家の未来の為です。

とのことだ。また、

Je ne veux pas que la France soit exposée à des aventures qui seraient coûteuses et même dangereuses(私はフランスが高いコストを伴いかねず、危険でさえある冒険に晒されることを望まない)

とも述べている。つまり、オランド氏は同じ社会党の別の候補を応援する為に辞退するのではなく、FNのマリーン・ル・ペン氏の台頭あるいは共和党の右傾化を懸念するが故に、リベラル派の団結を促す為に辞退すると言いたいのだろう。

近年益々厚顔ぶりを見せつけてきたオランド氏であるが、漸く自身の人気の無さが致命的な段階に達しているということに気づいたようだ。

ルモンド紙でさえオランド氏が不出馬を明確に表明したことに対して肯定的な論調で、「これで漸く左派・リベラル勢力の団結が出来るようになる」と一息ついている様子が伺える。

実際オランド氏の辞退は、右派勢力にとっては若干痛手であるし、左派にとっては追い風になる。何故ならオランド氏の不人気は社会党の支持率低下にも直結していた上に、オランド氏に不満を持つ左派候補が乱立することで票が割れることによって、共和党候補やル・ペン氏が第一次選挙で有利になるからだ。

ところがオランド氏が辞退を表明したことで、共和党のフィヨン氏(François Fillon)が決選投票に進むとは必ずしも言えない状況になったと言える。左派・リベラル派がどの候補の下に団結するのかはまだわからないが、ヴァルス氏(Emmanuel Valls)あるいはマクロン氏(Emmanuel Macron)の下に左派がまとまるならば、フィヨン氏と同程度の支持を獲得する可能性もまだ残っている。

他方、もし決選投票がル・ペン氏対ヴァルス氏(あるいはその他左派候補)で行われるならば、フィヨン氏対ル・ペン氏の場合よりも若干ル・ペン氏が勝利する可能性が上がるかもしれない。

とはいえシステム上決選投票ではFNの候補は誰であれ圧倒的に不利なので、一次選で過半数を取ってしまうことに集中する方が戦略としては有効かもしれない。サッチャリズムを標榜するフィヨン氏が共和党候補となった今、ルペン氏には経済的に左傾化することで人気を広げる余地が残されている。逆に左派候補は以前に比べれば社会政策面で多少右傾化する素振りを見せる必要に迫られるだろう。

いずれにせよ、様々な方面から酷評されつづけてきたオランド氏のQuinquennat(大統領としての五年間)はこれにて終焉ということになる。日本や他の西欧諸国に比べても格段に長い歴史や政治経験を持つフランスの「左翼」の代表格である社会党でさえこの有様であるならば、最早「左翼」の時代は全世界的に終わったということなのかもしれない。

先月25日にカストロ氏が逝去されたが、彼の死は「左翼」の死を象徴していたのだろうか。

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