【映画評】RANMARU 神の舌を持つ男

2016年12月06日 06:00
「RANMARU 神の舌を持つ男」メイン2

提供・松竹株式会社

舌でなめたものの全成分を瞬時に分析できる能力・絶対舌感を持つ朝永蘭丸は、失恋の痛手を癒す旅の途中で行き倒れてしまい、東北の鬼灯村で、美人女医のりんに助けられる。ひょんなことから村の温泉で働くことになり、そこへ相棒の光と寛治が合流。だが、その寂れた温泉村は不穏な空気が漂っていた。黒水、鬼火、子殺しの温泉の伝説、かごめかごめの裏解釈。そんな時、りんの恋人と噂されていた男の遺体が発見される。蘭丸は絶対舌感で村の秘密を暴こうとするが…。

絶対舌感で難事件を解決するテレビドラマシリーズの劇場版「RANMARU 神の舌を持つ男」。主人公の蘭丸は、絶対舌感を持つがゆえに、女性と恋愛もできない体質だが、美人女医りんの人工呼吸の口内細菌に不快感を覚えなかったことから、ほのかな好意を抱き、鬼灯村に滞在する。蘭丸はどこか頼りないキャラ、異常なまでにハイテンションな女性・光と、宮沢賢治を愛するツッコミ担当の寛治という3人組のメリハリは効いている。だが、すべてのギャグがユルくてサムい。特に光のキャラには、完全についていけなかった。

怪事件には、迷信や因習という昔ながらの設定と、中国企業による日本進出に環境問題といった現代性を絡ませているのは、面白いが、その謎解きと真相は、主人公のおっとりとしたキャラ同様に、ピリッとしないものだった。サムいギャグも、ユルい謎解きも、おそらく狙っているのだろうが、映画館の大スクリーンでこれを見るのは、あまりにツラい。聞けば、金曜日に放送されていたTVドラマも視聴率でかなり苦戦していたそうだが、それをあえて劇場版にする必要性がどこにあるのだろうか?!と、首をかしげてしまう。数少ないコアなファン向けのサービスと思うしかない。ちなみに、本作の正式な題名は「RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編」という2時間サスペンス・ドラマ風の長ーーーいタイトル。どこまでも脱力系だ。
【20点】
(原題「RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編」)
(日本/堤幸彦監督/向井理、木村文乃、佐藤二朗、他)
(ファン向け度:★★★★☆)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2016年12月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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