前職は官邸で国際広報。異色の副町長が語る”スピード感あふれる”まちづくり

外交官の仕事と、副町長の仕事は似ていると思うんです。外交官というのは、赴任地でありとあらゆる人脈を構築し、それを吸い上げて政策にするのが仕事。副町長になってからも同じです。毎夜、スナックに通っています。」 

と、語るのは、北海道天塩町(人口約3,000人)の齊藤啓輔副町長。

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(写真提供:齊藤啓輔氏。以下同じ)

外務省ロシア語スクール。前職は総理官邸で国際広報を担当していた異色の副町長だ。北方領土の交渉で、北海道の市町村を訪れる機会が多かった。その時に衰退する地域や補助金・公共事業依存の体質を目の当たりにし、自ら志願して天塩町副町長を拝命した。

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その動きは、早い。

今年7月に着任してから、わずか4か月あまりの間に

産業政策の面でも、

・特産のしじみのブランドづくりのため、人気ラーメン店「ソラノイロ」とコラボし、オリジナルメニューを販売。

・ハピキラファクトリーと連携した「かわいい新商品」の開発。(来年3月めど)

・市場に流通しない魚を直接消費者に提供するアプリ「FOODISON」との連携。

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また天塩町から世界へ羽ばたく人材育成を掲げて、

・HLABと連携し、ハーバード大学生などと地元高校生の交流

・早稲田大学国際教養学部主体のバイリンガル団体セカクルの受け入れ

など矢継ぎ早に政策を打ち出す。


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なぜ、天塩町にこんな人が来るのか。メディアに大きく取り上げられることで、地元の人も意識も変わりつつある。議会では、初めて英語教育の重要性が取り上げられた。 

スナックなどで培った人脈を生かし、町の若者が中心となり、天塩町の未来を語り合う場も設けた。「今の地域には、地域を巻き込む力、世界を巻き込む力が必要。」と力を込める。

その上で、政策を早く進めるためには、外交官の経験から「誰も気づかないときにやってしまって気づいたらできていた。そして気づいたら、まわりもわくわくしていた。」ということが大切だと考えているという。

次は、何を打ち出すのか。目が離せない。

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<井上貴至(長島町副町長(地方創生担当)プロフィール>
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68458684.html

公私一致」という働き方
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68507744.html
地域づくりは楽しい二行


編集部より:この記事は、鹿児島県長島町副町長、井上貴至氏のブログ 2016年12月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『「長島大陸」地方創生物語~井上貴至の地域づくりは楽しい~』をご覧ください。