おすすめの1冊「鉄客商売 JR九州大躍進の極意」

2016年12月12日 06:00

数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本も紹介する。

■唐池恒二「鉄客商売 JR九州大躍進の極意」

鉄客商売 JR九州大躍進の極意

鉄客商売 JR九州大躍進の極意

今年10月に東証1部に上場したJR九州。今年の新規株式公開(IPO)の中でも、LINEに次ぐ大型上場として注目を集めた。

本著 は、そんなJR九州の会長を務める唐池恒二氏による書き下ろしの1冊。大人気の豪華クルーズトレイン「ななつ星」の生みの親である著者が、さまざまな仕事 を通じて自らが得てきた22の学びを提示する。くすっと笑えるエピソードやドラマ顔負けの出来事などを交えながら、現場を渡り歩いてきたビジネスマンとし ての自身の言葉で綴られているだけに、説得力も面白みもある。

22の学びは、著者がJR九州で携わった船舶事業、外食事業、そして「ななつ星」に代表される「デザイン&ストーリー列車」の3つの仕事をメインに紐解かれていく。

特 に読んでいて愉快痛快なのは、外食事業に携わっていた時の話。1993年4月に外食事業部次長となった著者だが、当時の外食事業は売上25億円、営業損失 8億円を超える大赤字の事業であった。そんなJR九州のお荷物と見られていた外食事業部を3年間で黒字化・分社化させるまでのストーリーは劇的であり、大 きな夢や目標に向かっていく時の人間のパワーや熱意を感じ、読んでいると胸が熱くなる。当時既に九州各地でさまざまな業態の飲食店を展開していたが、店長 のほとんどはもともとは生粋の鉄道マン。彼らの意識改革から始まり、月次損益書の作り方やコストコントロールの概念を叩き込み、“外食軍団”へと変身させ た。もちろん、著者も飲食店のプロではないから猛勉強をするのだが、その際に“先生”となったものの1つに本があったという。飲食店経営の指南書を片っぱ しから読み漁り、ある1冊の本を信じぬいて実行していったそうだ。こうしたノウハウ本は、気に入った1冊が見つかったら、それを何度も読み返し、書かれて あることをすべて信じてそのとおりに実行するのが成功への近道だと主張する。なるほど、半信半疑に簡単なことだけをやっても、中途半端に終わるだけなの だ。この本が気に入ったら、ぜひここで挙げられた22の学びを全て実践してみてほしい。

画家の山口晃氏が表紙や挿絵を担当しているのも見どころの一つ。紙の本で楽しむのがおすすめだ。

文:M&A Online編集部


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2016年12月11日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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