街中に見るM&A さよなら、プランタン銀座

2016年12月17日 06:00

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年末セールの真っただ中、銀座OLファッションの聖地・プランタン銀座では、プランタン銀座の名前を冠した最後のセールを開催中です。

仏・ プランタン社との商号・商標契約終了に伴い、今年12月末をもって「プランタン」の名前を失うことになったプランタン銀座。来年1月に社名を「マロニエ ゲート」に変更し、3月15日には銀座マロニエ通りを挟んでお隣にある商業施設「マロニエゲート」と連携する形で新たなスタートを切ります。現在のマロニ エゲートは「マロニエゲート銀座1」、プランタン銀座本館とアネックス館は「マロニエゲート銀座2」「マロニエゲート銀座3」にそれぞれ名称が変わるとの ことです。

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プランタン銀座が開業したのは1984年。ダイエーがプランタン社と商号・商標契約を締結して始めた百貨店事業の4号店として誕生しました。

も ともと仏・プランタン社といえば、世界にその名が知れたパリが誇る老舗百貨店。フランスのエスプリを感じさせるおしゃれなニュースポットを、ファッション に敏感な若い女性たちが放っておくはずがありません。銀座で働く20~30代のOLをターゲットにコンサバ系ファッションで人気となり、瞬くうちに銀座 OLのファッションの聖地となりました。

2002年、親会社であるダイエーが経営不振に陥り、読売新聞東京本社へプランタン銀座の全株式を売却。その後、読売新聞が30%の株式を三越伊勢丹に売却し、現在に至ります。

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相反するブランドイメージと消費の現実

女性なら誰もが知る百貨店となったプランタン銀座ですが、2000年代後半からその地位が揺らいできました。ファッションに対する消費の冷え込みや カジュアル化が進み、さらに周辺にはマルイやルミネといったターゲット層が被る競合が次々と出店。ピーク時には250億円(2006年2月期)あった売上 が年々下がっていき、2016年2月期には150億円にまで落ち込んでしまいました。何とか巻き返そうと、2012年に「女性のためのユニクロ」と銘打っ たユニクロの女性専門店を、2015年には郊外型の家具量販店「ニトリ」を誘致し、主婦や訪日外国人を含めたより幅広い客層をターゲットにする方向にシフ ト。けれども、皮肉なことにこうした時代やニーズの流れに乗ろうとすればするほど、仏・プランタン社の持つハイブランドなイメージからは遠のいていってし まったのです。

こうした方向性の違いから、来年からプランタンの名を捨てて新たな勝負に賭けるプランタン銀座。今後はそのターゲットを働く 女性のみならず、20~40代のおしゃれなママたちといった専業主婦層にまで本格的に広げるといいます。それとともに、アパレル中心だった商品構成を見直 し、化粧品や文具などの雑貨の比率を50%まで上げてライフスタイルを提案していく形を目指すとのこと。

そして昨日、12月末に三越伊勢丹 が保有するプランタン銀座の全株式を読売新聞東京本社へ売却するとの一報が入りました。三越出身の現社長、笹岡寛氏は顧問となり、新会社の社長には読売新 聞東京本社の幹部でプランタン銀座の非常勤取締役を務める木村透氏が就任します。名前も株主も脱百貨店。新たな経営陣の下、再開発が進む銀座で「マロニエ ゲート銀座」がどんなニュースポットとなるのか、今から目が離せません。

文:M&A Online編集部


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2016年12月14日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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