仏で邦人女性殺害か?なぜ犯人の国籍は非公開なのか

2016年12月25日 06:00

欧州で相次ぐ東アジア系女性の殺害事件

France 3の昨日の報道によると、フランス東部Besançonで今月4日以降行方がわからなくなっていた邦人女性のNarumiさんが恐らく亡くなっていると、警察は物的証拠(éléments matériels)を基にほぼ確信しているとのことだ。

ドイツのDessauでも今年の5月頃に中国人留学生の女性が強姦殺人の被害に遭う事件が発生したが、欧州先進国でも東アジア系の女性留学生を狙った犯罪が後を絶たない。

Dessauの事件では犯人はドイツ国籍の白人カップルであったので、国外逃亡することもなくあっけなく逮捕され既に公判も開かれているが、今回のBesançonの事件では犯人はフランス国籍者ではなく、また恐らく邦人でもない。仏警察が犯人の国籍に関してそれ以上の詳細に関する言及を意図的に避けている( la police ne souhaite pas pour l’heure donner plus de précision sur son origine)ことからして、犯人は恐らく「政治的配慮」が為されるような国籍を有している人物であろうと思われる。

のみならず、先のFrance 3の報道では、犯人はフランスを既に去ったどころか「(ユーラシア)大陸」(le continent)を去って別の「大陸」へと移ったとのことなので、アフリカ系の黒人かあるいはマグレブのアラブ系の人物である可能性が暗に示唆されていると見ることもできるだろう。

無論実は米国人あるいは豪州人の「白人」である可能性もゼロではないが、そうであれば何故警察がわざわざ詳細を秘匿しているのかという疑問が生ずる。邪推すれば、これもまた西欧における「政治的正しさ/political correctness」の例なのではないだろうか。

そうだとすれば、西欧の「政治的正しさ」の実害が思わぬ形で日本人にも影響を与える可能性があるということをこの事件は明らかにしている。

つまり、西欧で何らかの事件が生じ、かつ犯人が政治的配慮の対象となるような背景の持ち主であった場合、邦人が被害者の場合でも現地警察が既に得ている詳細情報を明らかにしてもらえない可能性があるということだ。

日本人(特に女性)は欧州で何に気をつけるべきか

いずれにせよ、アメリカや豪州などのキリスト教徒の多い地域では白人も含めた貧困層全般に、欧州のように社会保障は比較的充実しているが文化的格差の大きい地域では文化的マイノリティーに、特にアジア系女性は十分に警戒する必要がある。

無論欧州の知的な若者の多くは政治的に正しい見解を持っている人が多いし、それは日本の大学生に関してもある程度までは見られる傾向である。特に欧州に留学するような日本人は性別を問わず政治的に正しくない見解、あるいは少しでも「右寄り」の意見には反射的に嫌悪感を感じる人が多いだろうし、現実として日本人やその他アジア系の留学生というのはどこか「白人」とは距離を感じ「非白人」同士で交流する傾向がある。

確かにそういう形で欧州の「多文化主義」を身につけるというリベラル・イデオロギーに基づいた教科書的な「留学」から得られるものは少なくないだろう。だが、それは一方で西欧の伝統の重みを無視し、西欧のアジアに対する優越の真の理由から目を背け、制限も基準もない無秩序な自文化肯定という退行へと導きかねない。それだけに留まるならばまだしも、運悪く最も警戒すべき種類の人物に巡り合ってしまった場合、どうすれば身の安全を守れるかをリベラル・イデオロギーは決して教えてくれない。その代償を自らの命で払うことになるなどという不幸は、あってはならないことだ。これではキリスト教的殉教と何も変わらない。

リベラル派は自らが、あるいは自らの教え子がこのような形でリベラリズムに殉ずることは、それでも「不寛容」の蔓延よりは良いと言うのであろうか。それならリベラル派自身が自らの教義に殉ずることを私は無理に止めるつもりはない。だが、理想の実現よりも人命の安全確保を優先すべきだと考える程度に世俗的な人々には、リベラリズムの危険性を改めて指摘させていただきたい。特に欧州渡航の際には、アジア系の女性は様々な場面で、また様々な意味で非常に狙われやすいということくらいは知っておいて損はないだろう。

相手がどのような人であれ警戒を怠るのは危険ではあるが、特に素性のあまりわからない留学生同士の交流はお互いに一定の緊張感を持って接するに越したことはない。出来れば渡航前から現地での噂話やローカル情報を基に自らの安全確保が出来る程度の語学力を身につけておくことは、身の安全の為には欠かせない。

例え本人に何の落ち度もなくても、無差別テロに巻き込まれて命を落としてしまう可能性もある時代である。仮に短期間の語学留学であったとしても、時には命の危険が伴うことは覚悟した上で細心の注意を払うことの重要性は、第二次世界大戦後70年を経ても衰えるどころか以前にも増して高まっている。

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