欧州王室に「幽霊」と「天使」が現れた!

ストックホルム発AFP電に「幽霊の話」が報じられていた。

「スウェーデンのカール16世グスタフ国王の妻シルビア王妃(73)が、首都ストックホルム郊外のローベン島にあるドロットニングホルム宮殿について『小さな友人たちがおりまして、幽霊です』と述べている。スウェーデン放送が4日放映予定の番組で語った。

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▲スウェーデンのシルビア王妃(ウィキぺディアから)

ドロットニングホルム宮殿は17世紀に建設され、世界遺産にも登録済み。王妃は、『とても良い方々で、怖がる必要なんてありません』と強調した。
国王の姉クリスティーナ王女(73)も同じ番組で、『古い家には幽霊話が付きもの。世紀を重ねて人間が詰め込まれ、死んでもエネルギーが残るのです』と主張。王妃の話を支持した」

当方はこのコラム欄で「『天使』と交信できる王女様」(2012年8月24日参考)の話を紹介したことがある。ノルウェーの王女様の話だ。ノルウェー王ハーラル5世とソニア王妃の長女としてオスロで誕生したマッタ・ルイーセ王女(45)は2002年、同国の作家アリ・ベーン氏と結婚し、3人の娘さんがいる(昨年8月、離婚を発表)。天使に関する2冊の本を出版するなど、天使界に通じた王女様だ。王女様は既に、子供たちが天使と話すことができるように「天使の学校」を開校している。王女様によると、「天使は私たちの周辺にいて、私たちを助けたいと願っています」というのだ。

興味深い点は、先のAFP電の「幽霊の話」も「天使と交信できる王女様」も偶然かもしれないが、いずれも北欧の王室関係者だ。北欧の王室関係者は「幽霊」や「天使」の話に抵抗が少ないのかもしれない。

米テレビ番組「Dr・House(ドクター・ハウス)」でハウス(ヒュー・ローリー)が「人が神に話しかければ、『あの人は信心深い人』」といわれるが、神が彼に話しかけたといえば、『彼は狂人だ』と冷笑される」と語っている。ルイ―セ王女も天使の話をしても問題はないが、天使が王女に語りかけたといえば、うさん臭い顔をする国民がいるのと同じだ。

「幽霊」や「天使」が誤解されたり、その存在すら抹殺される責任は彼ら自身にもある。人を選ばず全ての人々の前に出現してくれれば、疑う人はいなくなるが、彼らは人を選ぶ。だから、目撃した人は「幽霊」や「天使」の存在を信じるが、そうではない人は目撃者の話を「狂っている」としか思わない。

当方は「公邸の幽霊は人を選ぶ」(2013年5月26日参考)というコラムを書いたことがある。「(日本の首相)公邸の幽霊は安倍省三首相に現れても管直人元首相や野田佳彦前首相前首相の前には全く音沙汰がなかったという。だから、後者は前者の幽霊騒動が理解できないわけだ。

ちなみに、公邸は昭和11年、旧陸軍の青年将校が起こしたクーデター(2・26事件)の舞台となったところだ。青年将校の幽霊たちは菅元首相や野田前首相ではなく、安倍首相に何らかのメッセージを託したかったのかもしれない。

シルビア王妃が証言されているように、「幽霊」は基本的には怖くない。生前果たせなかった願いを生きている人に伝え、実現してほしいと願うケースが多い。一方、「天使」はノルウェーのルイ―セ王女が言っているように、「私たちを助けたい」と願っている。もちろん、ルシファーのような天使の場合は少し事情は異なるが……。

シルビア王妃の「幽霊」の話は、ルイーセ王女の「天使」の話と共に心強い証だ。「幽霊」と「天使」の市民権獲得も決して遠い先ではないだろう。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2017年1月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。