東京で消耗しない方法を、私は身につけてしまったのだ

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青木真也選手との公開対談、終了。おかげ様で新年早々満員御礼。感謝。青木真也ファン、格闘技ファン多数で、彼らにご満足頂けるようなものになったかどうか、司会としてはやや不安だが、実に気持ちよく話せた感じ。

いつもよく喋る私だけど、観に来てくれていた、育児・教育ジャーナリストおおたとしまささんによると、私が5喋ると、青木真也選手が5を返すので、いい感じのトークになっていたとか。プロ格闘家として10年以上に渡りトップを走り続けてきた彼の言葉はいちいち説得力があり。格の違いを感じた。私も頑張らなくちゃ。

ここからが本題。もともと・・・
「消耗しない闘強公開新年会~空気を読まない新春大放談」『空気を読んではいけない』刊行記念
というタイトルでの対談だったのだが、「消耗しない闘強」というテーマについてほとんど話さないまま1時間50分がすぎ。この話を聞くために参加したという方から、質問があり。佐々木健介風に言うならば「正直、すまんかった」としか言いようがない。その場でお答えしたのだが。しかも、青木真也選手とは意見が対立し、白熱したのだが。この件、責任をとり、エントリーで私の考えを記しておこう。

まず、「東京=消耗する」「地方(たとえば高知)=消耗しない」という対立軸自体を疑ってみた方がいい。グローバル経済が侵食してくる中、ネットが民間人をも完全包囲網で取り囲む中、さらには格差も社会不安もある中、場所がどこだろうと、それなりに消耗するのだ。消耗するか否かというのは、体感値だけではわからない。不労所得で生活しようとしても、地方(例えば高知)に住んでいても、金融などの投資で大損して消耗したりはするわけである。

その消耗をいかに減らすか。もともとの人のつながりがある「地元」なら消耗しないとか、その地域との距離感がちょうどいいなど、その消耗度合いを軽減する方法はいくらでもある。もちろん、最低賃金や物価、気候風土、商業施設や交通インフラなどの関係もあるのだが、これもまた充実していればいいとは限らない。結局、居心地の良さというのは、居場所があるかどうか、人間関係に恵まれているかどうかなどにもよるわけで。何をとるかという話だ。

そんな面倒くさい前提を語った上で本題なのだが、結局はその地域との距離の取り方、自分にとって気持ちの良い生き方をどう選ぶかということなのだと思う。

ふと気づいた。東京に住んでもうすぐ約20年だということを。18歳で内地に出てきたのだが、2年だけ名古屋に住んでおり、その他は東京だ。厳密に言えば、1年半だけ千葉県松戸市の新松戸というか、幸谷というところに住んでいたのだが。ざっくり20年だ。その中で、私はこの都市の楽しみ方をそれなりに学んだ。

この街は距離の取り方が大事なのだ。東京で消耗する原因とされることからひたすら逃げる。ただ、それだけ。いかに通勤ラッシュから逃げるか、いかに時間の主導権を握るか、人間関係における間合いの取り方、逆に便利なアイテムや施設をいかに活用するか、東京でしかできないことを楽しみ尽くすか。

より具体的に言うと、私は

1.世の中の人並みから言うと自由な働き方をこの5年で手に入れた。
2.あらゆるストレスから逃げる。たとえば通勤はクルマか、混まない時間の電車。
3.期待されている仕事を中心にやる。また、ストレスを感じない程度に好きなことも。嫌いなことからはひたすら逃げるか、人にふる。
4.気持ちいい人間関係を心がける。極論、妻さえ敵にまわさなくてはOK。とことん浮く、あるいは避けられるという天空にプカプカと浮かぶ「ラピュタ力」も大切に。やばい人だと思われれば、面倒くさい人がよってこない。筋トレと日焼けと服・髪型などのオシャレに時間とお金をかける。
5.疲れないように、ちゃんとお金を使う。
6.苦手なことはしない。
7.ちゃんと休む。
このあたりにこだわっているかな。

おかげ様で、自分の能力の限界以外は悩みがない生活を手に入れることができた。このあたり、何をとり、何を捨てるか。最後はお金で解決するかどうか。お金で解決するという手段をとれるように、可能な限り楽しい手段で稼ぐ、と。まあ、結局、東京とは闘強で、闘う奴、強い奴が勝つというとそれまでなのだが、いかに闘わずに何かを手にいれるか。このあたりを必死に考える、と。

そんなわけで、結局、戦略とはポジショニングであるという話。ポジショニングが下手な人は、どこに行っても消耗するのだよね。別に私は地方は否定せず。むしろ、多拠点生活を3年以内に実現させようかなと思っていたりし。

要するに気持ち良い生き方をいかに手に入れるかという話だよね。気持ちよく生きてる?


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年1月7日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた常見氏に心より感謝申し上げます。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。