中小企業のM&A 買収したその後は?

2017年01月13日 10:30

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確実に引き継ぐためには

中小企業のM&Aにおいても、単に株式を売買して完了、というわけではありません。中小企業の場合、社長の信用がそのまま会社の信用に直結していることが多く、新しい社長が信用され、はじめて会社として機能します。クロージングや引継ぎにもしっかりと気を配りましょう。

最終契約時における注意点

M&Aで交わす契約書のうち、最も重要な契約が「最終契約」です。

織り込む内容は、以下のように多岐にわたります。

M&Aの手法
売買金額 (評価額)
代金決済の方法
取締役、従業員の処遇
引継ぎ期間およびその間の報酬、肩書き
借入金や個人保証、担保の取り扱い
会社名義の個人資産の取り扱い
表明保証の期間と範囲
など。

発表 (公表) のタイミング

M&Aは成約する可能性が100%ではありませんから、買い手企業との交渉が頓挫しても、以前の経営環境で引き続き業務を続けなければなりません。したがって発表のタイミングは、最終契約を締結した後が望ましいでしょう。

また、発表時には「M&Aを決断した理由」、「新社長の人柄 (あるいは新会社の文化)」などをきちん従業員へ説明することで、将来への不安を取り除く必要があります。

誠意を持った対応が、これから売り手と買い手がM&Aによる相乗効果を発揮するためにも、必要な心がけとなります。

従業員・取引先への説明

M&Aを成功させるためには、従業員や取引先がそのまま承継されることが前提となります。説明をおろそかにした結果、従業員のモチベーションを下げてしまっては、M&Aがうまくいくはずはありません。

従業員への説明

幹部クラスの従業員には基本合意後に極秘事項として説明し、最終契約後にその他の従業員へ話すのが一般的です。一堂に会して説明することもあれば、心温まる手紙をしたためる経営者もいらっしゃいます。

取引先への説明

最終契約後に、重要な取引先へは直接挨拶に出向き、その他の取引先へは挨拶状でお知らせするのが一般的です。大口取引先へは、最終契約前にM&Aの内諾を得ることが必要な場合もあります。

すべては最初が肝心です

M&Aにおける引継ぎは、売り手にとっては最後の仕事ですが、買い手にとっては最初の仕事といえます。

引継ぎ期間は、一般的に「3ヶ月~1年程度」のケースが多く、

取引先への挨拶 (訪問 or 挨拶状か)
懇親会の段取り (時期と出席者、会場など)
実務の引継ぎ (スケジュール、勤務体制の調整など)
などを、どうするか具体的に決めます。

顧問契約を結び、売り手のオーナー (旧社長) が引き続き一定期間残るケースもありますが、会社を買収した以上、基本的には買い手が自己責任で判断していかなければなりません。売り手のオーナー (旧社長) に頼りすぎた結果、命令系統が2つに分断され、従業員がどちらにつけばよいのか迷ってしまったり、派閥争いに発展するケースもあります。

また、売り手オーナーの心情としても、M&Aで会社を手放してほっとしたのも束の間、たびたび連絡が入っては、とても気が休まらないでしょう。

ただし、わからないことや判断に迷うことが起きるのも現実問題としてないとはいえません。その場合は契約内容や法律論に縛られることなく、人としての「良心」で対応することが大事です。

文:株式会社ストライク まとめ:M&A Online編集部


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2017年1月12日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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