音喜多氏は4つの嘘をついている --- 宮寺 達也

2017年01月31日 17:30
おときた & 小池

音喜多都議のブログより

2月5日に行われる千代田区長選が1月29日に告示された。これまで区長選がニュースになった記憶は全くといって無いが、小池vs ドン(内田都議会議員)の「代理戦争」として、メディアでも積極的に取り上げられている。

千代田区長選は、千代田区民の有権者が自分たちの首長にふさわしいと思う人を選べば良いと思うので、千代田区どころか東京都民ですらない私は静観するのみである。

しかし、千代田区長選に関する記事を読んでいると、どうにも納得のできないことがある。それが、都議会議員・音喜多氏が嘘をついていることである。

音喜多氏が応援する、5選・75歳・天下りの石川雅己候補

今回の千代田区長選は、現職で5選を目指す石川雅己氏(75歳)、自民都連推薦の与謝野信氏(41歳)、無所属新人の五十嵐朝青氏(41歳)の3名が立候補した。その内、石川氏が小池都知事の応援を受けているため、知事与党である音喜多氏も石川氏を応援している。アゴラにも「区長選挙を都と基礎自治体の関係から考えてみる」という応援記事を投稿されている。

しかし、音喜多氏の過去の言動を振り返ると、石川氏を応援するのはおかしい。なぜなら、石川氏は5選・75歳という超高齢候補であり、天下りを経て区長になった人物だからだ。

1つ目の嘘:年齢の若い候補に投票しよう

音喜多氏は2015年のブログで「61歳で、若手候補?!高齢化が進み続ける23区の区長たちに警鐘を。」という記事を掲載しており、多選・高齢化が進む区長に警鐘を鳴らしており、若返りを訴えている。特にブログの締めでは、

少しでも年齢の若い、可能性のありそうな候補に票を増やすこと。対象者がいなければ、抗議の意味で高齢候補以外か白票を投じること。

という熱いメッセージを発している。

これが、一つ目の嘘だ。

音喜多氏が任期満了時には80歳にもなる石川氏を応援することは、若返りなんてどうでも良いと思っているということだ。

嘘で無いならば、与謝野氏か五十嵐氏への投票を訴えるべきだ。

しかも、石川氏の応援記事では自民党都連に「その気であればとっくの昔に実行可能だったはず」と批判しているが、これはブーメランだ。それこそ4期・16年も区長を務めている石川氏にこそ言うべき台詞だ。

2つ目の嘘:代理戦争批判

音喜多氏は2016年の都知事選において、小池氏の支持を表明した。そのときアゴラに「都政の私物化も国政代理戦争化も許されない。」という記事を投稿している。そこで、「都政は国政の代理戦争の場ではありません。加えて率直に言えば、高齢と健康面も大きなネックです。」と書かれている。

これが、二つ目の嘘だ。

石川氏の応援記事では、「区政と都政は切っても切れない関係にあり、都政での立ち位置は極めて重要なものになります。」と書いており、矛盾する。

区政は都政の代理戦争の場ではありません。加えて率直に言えば、高齢と健康面も大きなネックです。

と書くべきだ。もっとも、これは間違いなく石川氏を応援しないということになるが。

また、先の記事では増田寛也氏を「この方は、推薦政党の言いなりで自分の信念を曲げる方なのだ」と侮辱しているが、これもブーメランだ。

音喜多氏は、小池氏の言いなりで自分の信念を曲げる方なのだ」と言われても仕方がない。

3つ目の嘘:天下り批判

音喜多氏はアゴラの記事で「次なる改革のターゲットは監理団体と「天下り」だ!」と投稿している。「天下りがあるのは国家官僚だけではなく、むしろ注目度の低い都政においてこそ根強く残っています」と、都政の天下りを改革していくと主張している。

これが、三つ目の嘘だ。

音喜多氏が応援する石川氏は、「東京都庁から首都高速道路公団理事に天下りした」人物である。まさに、音喜多氏が最も批判するべき人物だ。

しかも、石川氏の現在のプロフィールには、天下りの経歴が消されている。だが、ネット上では消す前の履歴は幾らでも見つかる(たとえばこちら)ので、恐らく選挙直前に消したのだろう。常日頃から情報公開を徹底的に求めてきた音喜多氏が、こうした姑息な隠蔽工作を見逃すのは駄目だ。

もしこれを見逃すならば、音喜多氏は実は天下りは全然OK、情報公開は自分の都合の良いものだけ公開しよう、本音はただ選挙に受かって有名になりたい、と思っていると取られても仕方が無い。

4つ目の嘘:嘘をつかないという嘘

さて、高齢・天下りである石川氏を応援することは、過去の音喜多氏の言動と一致しないことを指摘してきた。しかし、音喜多氏が石川氏の応援で「私は過去に多選・高齢化を批判してきましたが、今回は信条を曲げ、75歳と高齢の石川氏を応援します。天下りも全然OKと思います」と主張しているならば、私の批判は的外れだ。

私も「君主は豹変するものである」という記事を書いたので、単純に嘘をついたことを批判したのではない。

音喜多氏自身が「嘘をつかない」と宣言したからこそ、今回の千代田区長選での言動に失望したのだ。

音喜多氏は2016年末に、「ネットには神様がいて、その神様は「嘘」を何よりも嫌う」という記事をアゴラに投稿し、「こうした時代を政治家が乗り切るためには、「常にオープンであること」「嘘をつかないこと」が最大の自衛手段であるとつくづく思います。」と書いている。

これが、四つ目の嘘だ。

今回の千代田区長選での行動は、全くその逆だ。過去の言動と一致しない石川氏を応援することは、嘘をついている。また、twitterで暴露されている横田一記者への回答拒否は、全くもってクローズな姿勢だ。

あなたは今、嘘やごまかしで非難を浴びている

音喜多氏は「これは私自身も徹底してきたことで、表現の至らなさや勘違い・間違いで「炎上」したことは数あれど、嘘やごまかしで非難を浴びたことはまずないと言って良いと思います(謎の陰謀論を除いて…)。」と書いているが、今起きている批判は、まさに嘘やごまかしに対するものだ。

もし、今の批判を謎の陰謀論と思っているならば、全くの勘違いだ。よーく批判の意見にも耳を傾けて欲しい。

それだでけでなく、最近の音喜多氏は豊洲問題でもデマをふりまき、いたずらに都民の不安を煽っている。「安心の確認」という言葉を持ち出し風評被害に加担し、「環境基準値以下に土壌汚染対策を行うという約束」という嘘をつき、豊洲移転を混乱させている。ここは宇佐美氏の記事に詳しく書かれている。

音喜多氏はかつてアゴラで、

不祥事の「芽」となる過ちを指摘されたら、ごまかさずにすぐ謝罪・訂正すれば大事になることはほぼ100%防ぐことができます。

「ネットの神様」にそっぽを向かれない=信頼を維持し続けるためには、公明正大であり続けること。

と書かれている。ご自分で気づいているかどうかはわからないが、今、あなたは小池与党の一員として過去の言動に相反する行動を繰り返し、まさに不祥事の芽が芽吹ている。

音喜多氏の本質が試されている

もっとも、多少は理解できるところもある。私が働いていたメーカーでも、一般職のときは頼れるリーダーだったが、管理職に昇格した瞬間に尊大な態度を取り出し、器の小ささを露わにした人が山のようにいた。また、

銀座でママに「人の本質を見たかったら、小さな権力持たせてみなさい」と教わったことを今になってふと思い出した。小物はつけ上がるからわかりやすい。

というツイートが舛添元都知事の金銭問題が騒がしかったころに、まさに舛添氏のことを表していると話題になった。

私の意見など届かないとは思うが、音喜多氏は今すぐに過去の言動と小池与党としての言動を比較し、謝罪・訂正するべきだ。

そうしないと、あなたがこれ以上無いほどに強烈に批判した舛添氏と同じ、小さな権力を持たされてつけあがった小物だ。

もっとも、舛添氏は長年の政治家としての実績と、都知事という権力を得た上での慢心だ。音喜多氏が慢心するとしても、都議会一期生という実績で慢心するとは、あまりにも器が小さ過ぎて悲しくなる。

音喜多氏は総理大臣を目指していると聞いている、ならば現在の権力で慢心しているようでは全く可能性は無い。慢心するにしても、もうちょっと高いステージに上ってからにしてはどうだろうか。

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宮寺達也 パテントマスター/アゴラ出版道場一期生
プロフィール
2005年から2016年まで大手の事務機器メーカーに勤務。特許を得意とし、10年で100件超の特許を取得。現在は、特許活動を通じて得た人脈と知識を駆使しつつ、フリーランスエンジニアとして活動中。

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