子ども食堂の助成金も、年度ごとに減額し自立と新陳代謝を促す

伊藤 陽平

miraikikin

こんにちは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

先日は、新宿区子ども未来基金の報告会に出席しました。
実は、こちらの基金ができた時に、私は区議会でただ一人だけ反対させていただいた経緯があります。

過去のブログはこちら↓
リスクを取らない「新宿区子ども未来基金」は政策として適切ではない

確かに、子どもたちの未来のために必要な事業は沢山あります。
私も肝に銘じなければいけませんが。税を投じることで、必ず不利益を被る納税者は出てしまいます。
また、リスクを取って努力を重ねてきた民間の事業者にとっては、市場のパワーバランスが変動し、影響を与えることになるという側面もあるからこそ行政の介入は望ましくありません。

基金や助成金と聞くと、天から降ってきたお金のように感じますが、寄付以外の部分は納税者の財布から費用が捻出されています。
3000万円の基金として税金を積み立てスタートしましたが、決して小さなお金ではありません。
また、単に税金で基金を積み立てるだけでなく、平均700万円の人件費が発生する職員が寄付の募集やチラシの作成などに携わることを考えると、効率的な事業とは言えません。

もちろん、社会的に意義のある活動を支えるためにお金を集めることは必要です。
私も実際に子ども食堂を訪れることがありましたが、本当に素晴らしい活動をされていました。
いのつめまさみさんに子ども食堂のリアルを聞いてみた

若いボランティアや、食材の提供など、たくさんの方によって子ども食堂は支えられています。

しかし、助成金に関しては、CSRやクラウドファンディングとは異なり、行政が決定権を握っているものであり、永遠に受け続けることはできません。

つまり、助成金を打ち切られることを前提に、事業経営を行わなければいけません。

新宿区のとある助成金では、初年度の補助率が3/4、2年目が2/1、3年目が1/4など、減額をされる傾向にあります。
新宿区子ども未来基金に関しては、まだ未定のようですが、過去の事例を参考に自立に向けて対策が講じられるものと考えています。

助成金の減額は、団体にとっては厳しいものですが、金額を1年ごとに減額する手法は、考え方によっては特定の団体に助成が偏らず新陳代謝を促すことになります。

一方で、子ども食堂のような事業であれば、活動を長く続けるほど、取り組みが地域で浸透し、さらに多くの方に利用されるため、一生懸命活動すればするほどお金がなくなってしまう、ということが起こる可能性もあります。

こちらも、できれば助成金の額を増額すべきことではありますが、現実的には活動が評価されるほど民間からお金が入ってくる仕組みを構築する必要があります。

助成金には使う側にもリスクがある中で、いのつめさんの発表では、斬新な取り組みが紹介されていました。

株式会社ホンカウさんのホームページより↓
新宿区ニコニコ子ども食堂へ本で寄付をするなら|ありがとうブック

こちらの窓口から古本を送ることで、子ども食堂へ寄付が行われる仕組みになっています。
様々な試行錯誤が行われていると思いますが、ノウハウを共有できる仕組み作りが大切になります。

気持ちが先行してスタートすることも多いですが、ソーシャルビジネスの経営を研究し、各団体の自立に向けて支援を行うということも必要です。

すべての子どもたちの未来のために、新宿区にできることを取り組んでいかなければなりません。

これまでも議会で取り上げられてきましたが、子ども食堂を行うためには、調理室が必要となります。
報告会でも要望がありましたが、公共施設の利用条件を見直すことは、すぐに取りかかるべきことだと考えています。

新宿区子ども未来基金が、最大限成果を出せるよう、提言を行なってまいります。

それでは本日はこの辺で。