僧侶に聞く!人の悪口は毒蛇だからお持ち帰りいただく

2017年02月16日 06:00
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写真は向谷匡史氏。ブログより。

「人の不幸が蜜の味なら、人の幸福は苦虫の味、そして人の悪口は砂糖の味」というのが人間の本質である。浄土真宗の宗祖親鸞は〈悪性さらにやめがたし、こころは蛇蝎(だかつ)のごとくなり〉と説く。

悪性とは、自分だけをかわいがる身びいきの心のことで、「私たちは生まれながらにして、蛇や蠍(サソリ)のように人を刺す恐ろしい毒針を心に宿している」という意味でもある。

では、「人を刺す恐ろしい毒針」とはどのようなものなのだろうか。この問いに対して、わかりやすい回答があるので紹介したい。『考える力を育てる 子どもの「なぜ」の答え方』の著者であり、浄土真宗本願寺派僧侶、保護司、日本空手道「昇空館」館長も務める、向谷匡史(以下、向谷氏)の見解である。

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「悪口」の表裏の関係を理解する

――私たちはそもそも、人の悪口を言わないでは生きてはいけない。この前提に立てば、「なぜ、悪口を言ってはいけないの」という間いかけに対して、「人の悪口を言うのは、心が醜いから」という答えは矛盾してしまう。

「矛盾だけならまだしも、誰にでも『人の悪口を言いたい』という欲求がありますから、『心が醜い』といった心のありようを持ち出すと自己嫌悪に陥ってしまいます。『悪口は、お父さんも、お母さんも、誰だって言いたくなるんだけど、できるだけ言わないように気をつけているんだよ』と話して次の質問を投げかけてください。」(向谷氏)

「『悪口を言いたくなる人って、どんな人?』。私が道場の子どもたちに問うと、『身勝手な人』『自分さえ、よければいい人』『団体行動がとれない人』と、たいていそんな答えが返ってきます。」(同)

――その根底にあるのは「私たち(自分に対して)に迷惑をかける人」ということになる。もっと言えば、自分にとって都合のいい人の悪口は言わないということになる。あるいは、嫉妬やねたみが悪口になる。このことを理解させるために、「悪口を言いたくなる人って、どんな人?」という質問を投げかけ、気づきを与える。

「次に、『悪口というのは必ず当事者の耳に入る』ということを教えてください。そして、悪口を言ったために人間関係が壊れてしまう。そして、いったん壊れた人間関係は。なかなかもとにもどらないことを。」(向谷氏)

「悪口を『言う』と『言われる』は表裏の関係にあります。気をつけるべきは、できるだけそれを口にしないことと教えてあげることです。処し方を通じたうえで、私たちは人間関係というものを学んでいくのです。」(同)

「悪口」はお持ち帰りいただく

――次のような説法がある。お釈迦様が托鉢(たくはつ)をして歩いていると、町民が食ってかかってきた。「俺たちが額に汗して働いているというのに、おまえたちは托鉢と称して、人にものをもらって生きているではないか!」。お釈迦様は町民の罵詈雑言を聞き流すと次のように言ったそうだ。「言いたいことはそれだけですか?」。

「おさまらないのは弟子たちである。『どうして反論しないのですか!』と詰め寄る弟子たちに、お釈迦様はこう問いかけた。

『では、聞くが、誰かが毒蛇を持ってきたら受け取るのか?』(お釈迦様)
『まさか、受け取るわけがありません』(弟子)
『受け取らなければ、その毒蛇はどうなる?』(お釈迦様)
『持ってきた人間が、そのまま持って帰ることになります』(弟子)
『そのとおり。だから私は、悪口という毒蛇を受け取らなかったのだ』(お釈迦様)

「悪口という毒蛇を受け取らない。すなわち、汚れた心は、あの町民が持ち帰ったと、お釈迦様は説いたのです。」(向谷氏)

――なお、本書は子供向け教育に書き上げられたものだが、ケースにリアリティがあることから大人にもお勧めできる。上司のコネタとしても役立ちそうだ。多くのケースを理解することで物事の正しい道筋を見つけられるかもしれない。

尾藤克之
コラムニスト

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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