テロ等準備罪法案。自民党内の議論不足で承認か

テロ等準備罪がどうやら本格的に俎上に上るようである。

世論の動向を慎重に窺いながら、そろりそろりと主要紙の紙面に登場している。
まだ全体像は浮かび上がっていないのだが、それでも政府与党の間でのテロ等準備罪についての検討作業の状況が何となく国民一般に伝わるような仕掛けを考えているようだ。

テロ等準備罪の対象犯罪を当初の600余りから220程度に絞り込んでいるとの記事が先日掲載されていると思ったら、今度は準備行為の内容をさらに具体的に記載する方向で検討中だという記事が載っていた。

方向性はかなりよさそうだ、という印象だが、その一方で3月7日に閣議決定して、3月10日に法案を提出するということも書かれているから、政府側は情報を小出しにしながら世論を自分たちの思う方向に誘導しようとしているのだな、ということも分かってくる。

今月の27日に衆議院で来年度の予算案の採決が行われる運びだというのだから、どうやらテロ等準備罪についての自民党法務部会での平場の議論はほんの形だけ、実におざなりなものになりそうだな、ということも分かってくる。

あれれ、自民党ではどうも平場での本格的な議論をしないままテロ等準備罪の法案を承認するつもりだぞ。
これはどうも上手くないな、というのが私の直感である。

いつ自民党から声が掛かるだろうか、声が掛かったら私の意見を述べてみたい、と首を長くして待っていたのだが、これでは私の出る幕がどこにもない。

私の出る幕がなくても自民党的には何の差し支えもないのだろうが、国民の立場に立って考えれば、少しでも不安要素、懸念要素の少ない法制度にブラッシュアップした方がいいと思うのだが、どうも今の自民党の執行部にはそういう方面の配慮が不足しているようだ。

数の驕りでなければいいが、と心配している。

そろそろ私の意見を述べるべき時が来たようである。
昨日は、毎日新聞が私の名前を出して記事を書いた。
金曜日には共同新聞が私のところに取材に来ることになった。

現在は、7割ぐらい顔を出した、というところだろうか。
元衆議院議員早川忠孝の再登場である。

求められれば、どこにでも顔を出すつもりだ。
どこに呼ばれても答えることは基本的に同じである。

国際的組織犯罪防止条約締結のための国内法整備を進めることは当然だが、一般の国民に不安を与えるような、懸念事項が多い杜撰な法制度にならないよう、十分かつ丁寧で慎重な審議をしましょうね、というところだ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年2月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。