未来を予測できるものに未来は訪れる

フェラーリ創設者のエンツォ・フェラーリ氏は、「未来を予測できるものに未来は訪れる」と言われていたようです。此の言葉の意味を考えるに、要は「未来を自ら創って行く」ということだと思います。

自ら未来を創り行くためには、「こういうものを創ろう」「こういうものがあったらなぁ」といった感情が必要です。例えば、松下幸之助さんが「二股ソケット…家庭内に電気の供給口が電灯用ソケット一つしかなかった時代に、電灯と電化製品を同時に使用できるようにしたもの」を考案されたのは、そうした感情を出発点にした「自我作古…我より古を作す」と言えましょう。

未来を自ら創って行くとは大袈裟な言い方ですが、換言すれば之は「夢を具現化して行く」ということです。鳥が飛んでいるのを見ては「私も空を飛んでみたい」と夢を持ち、魚が泳ぎ回っているのを見ては「私も海に出てみたい」と夢を持つのです。嘗て当ブログでも『ビジネスの創造には、まず「夢を抱く」』(2016年2月8日)と題して述べておいた通りです。

飛びたいならばグライダーを作って挑戦しようと発想したライト兄弟を例に見ても、その必要性がため考えに考えた末ふっと閃き、それをヒントにしてまた考え抜き発明発見を繰り返し、その進歩の中で遂には夢を具現化したのです。上記正に吉田松陰の至言、「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」そのものだと思います。

夢というのはまた、世のため人のためという要素が含まれていなければなりません。従って自ら未来を創造して行く場合、先ずは「自分自身の夢が実現したら、どういう形で世のため人のためになるか」につき、自分で明確にすることが大事です。そして、その夢が結果において世のため人のためになるならば、それは大いに夢を抱き必死になって追い掛けたら良いでしょう。

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