ネット上の小池バッシングは都議選ムードで吹っ飛ぶ

都庁サイトより(2月8日の「ライフ・ワーク・バランスフェスタ東京2017」で小池知事登壇:編集部)

ネットは時には大きな力を発揮することがあるが、それはあくまでテレビや新聞がネットを後追いするようになった時のことである。

北朝鮮が4発のミサイルの同時発射実験に成功し、そのうちの3発が日本の経済水域に着弾した、というニュースが駆け巡っているが、しばらくは森友学園の問題と石原さんの証人喚問が大方の国民の関心事で、北朝鮮のミサイル発射実験もあっという間に風化していくはずだ。自分たちに対処できないことや理解できないことについては考えようとしないのが私たちの習性だから、如何に深刻な事態であっても、直ちに自分の身に降りかかるようなことがなければやり過ごしてしまう。

政府当局としては早く予算を通して、北朝鮮問題やテロ対策問題等の差し迫った国の重要課題に取り組みたいところだろうが、多分世論が許さない。

ネット世界では一時期よりも小池批判の声が高くなっており、どうも小池包囲網が敷かれ小池バッシングが始まっているような感じだが、まあ、小池さんの動きを止めるような大きなうねりにはならないだろうな、というのが私の感想である。

3月の後半には都民ファーストの会の都議選公認候補予定者の名前が一斉に発表されるだろうから、都議会の閉会あたりから一気に都議選モードになる。選挙風が吹き始めたら、チマチマした問題は吹き飛んでしまうだろうから、小池バッシングはあっという間に力を失ってしまう。

都議選に何らかの影響を及ぼすための、計算された小池バッシングだと思うが、小池さんは些かも気にされる必要がない。自分の思い通りに動かれることだ。

石原さんに対しての損害賠償請求訴訟の問題は、都側の新弁護団に任せればいい。
裁判所に対して何らかの結論を示さなければならないのだろうが、7月の都議選が終わるまで延ばしても大した問題は生じないはずである。

こういうことは、じっくり時間を掛けてやるのがいい。

原告住民側の請求を認容しないで、ただ争う、としているだけでもいい。
裁判所の判断に委ねます、と言うだけでも十分のインパクトはあるはずだ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年3月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。