「小池劇場」の真の姿~新任教師過労自殺訴訟上告せず~

2017年03月10日 06:00

2006年、東京都内公立小学校の新人女性教員(当時25歳)が過労自殺した事案がありました。ご両親は、地方公務員災害補償基金(東京都支部長=小池百合子知事)に対して、公務災害と認めなかった処分に対して取り消し訴訟を起こしていらっしゃいました。2月23日その控訴審判決で、東京高裁において、「上司からの手厚い指導が必要だったのに、その形跡はない」とし、女性への支援が不足していたことを指摘。一審に続いて「自殺は公務が原因」と認めました。

それを受けての東京都の出方を私は静かに見守っている中、本日東京都総合教育会議が開かれました。議題は「教育管理職の確保について」。世界一多忙で残業が多いと言われる日本の教師を取り巻く環境の厳しさから、現在管理職に手を挙げる教員が激減してる喫緊の課題です。出席者は「知事、教育長、教育委員、都内公立小・中学校の校長・副校長・教員」なことから、上田令子政調スタッフに傍聴に行ってもらっておりました。

そこで、テーマの趣旨と関連して冒頭、小池知事が、この過労自殺の事案に触れ、なんと東京高裁の判決を受け入れて「上告しない」と明言、その瞬間職員席がどよめいたそうです。職員、学校管理職の教員、傍聴席には教員組合関係者もいたそうです。この言葉は、サポート体制に疑義があった教育現場へ暗黙の綱紀粛正を一瞬で迫ったでしょう。一方、普段の教育委員会では不規則発言の多い傍聴席は、静まり返っていたそうです。本来、注目を浴びる明日の知事定例会見で発言しても良い内容なのですが、知事があえてこの場を選んだ、実務家としての底力と政治家としてのセンスに舌を巻きました。そしてその後に、胸の中にじわっと温かいものが広がりました。

小池知事は、就任初の総合教育会議では、「セーフ シティ、ダイバーシティ、スマート シティの3つのシティ作りを目指していく上で、「それをすべて担っていくのは、人材(太字:お姐)である。教育はその点からも一番基盤になるものと考えている」と述べていたことを思い出したからです。私は、東京都職員の自殺について憂慮し質疑を重ねて来ており、その中には少なからぬ数の教員も含まれておりました。ですので、教員の状況を知事も承知していて「人材」に重きをおいて、そして…上告を見送ったのではないか…点と点が繋がったからです。

豊洲移転問題、オリパラ問題、どちらも大切ですが面白おかしく政局を絡めて「小池劇場」取り上げられておりますが、私はこうした、なかなか大きく注目をあびることのない一隅に火をひとつづく灯している実務家「小池百合子」という知事の姿をぜひ都民のみならず全国の皆々様にも知っていただきたいと思います。

私は定時制・全日制の都立高校の卒入学式は、日程が合えば可能な限り出席しておりますが、今年の卒業式は知事から祝電が届いてました。その言葉も通り一遍なものではなく「世界にどんどん目を向けて挑戦して欲しい。皆さんの未来が夢と希望に満ちたものであることを記念します」という真心こもったものでありました。

改めて、僅か25歳で亡くなられた東京都職員の女性教諭にご冥福をお祈りすると同時に、東京大改革の中には無論教育改革も含まれていることから、都議会議員の立場で新人教諭のサポート体制を推進してまいります。

サステナブル・ブランド国際会議にて知事基調講演】

議員となるずっと以前から親しくしていますビジネス仲間が主催者にいらして、その他沢山のご縁にて、小池百合子知事の講演が実現しました。東京五輪のメダルを、携帯などの廃棄機器から出る金属をリサイクルする「都市鉱山」で作るアイデア満載の各種の都の取組・挑戦を紹介し、最後は総額200億にも及ぶグリーンボンドにつき「ぜひお求め下さい」とチャッカリ営業(笑)するチャーミングさも人気の秘密でしょうね!

持続可能なTOKYOを創る知事のチャレンジは続きます。私も後方支援してまいります。

【お姐総括】
ローマ史に造詣の深い歴史作家塩野七生氏が「(民主政治を実現した)ペリクレスは音楽を愛でるように権力を愛でた」と評価していました。持っている権限を、暴力的な権威を振りかざし私腹を肥やすために使うのか、都民・無辜なる人々の幸いのために使うのか。地方公務員災害補償基支部長は首長(知事)であることから学校訴訟では原告側が泣き寝入るすることとなることが散見されるのですが、この権限を逆手に取った上告見送りは、ウルトラCの大技で嬉しい驚嘆でした。都民と命のために、伝家の宝刀「権限」を使う。これこそが、「小池劇場」の本質なのであります。

☆お姐、神は細部に宿る。今後も誰も気づかぬ都政課題を丹念に拾いつづけよ!☆

上田令子 プロフィール

東京都議会議員(江戸川区選出)、都議会会派「都民ファーストの会 東京都議団」、地域政党「都民ファーストの会」所属、地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)副代表
白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。2017年1月都議会会派「都民ファーストの会 東京都議団」を発足し、地域政党「都民ファーストの会」に所属。

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上田 令子
東京都議会議員(江戸川区選出)、地域政党「自由を守る会」代表、地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)副代表

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