おすすめの1冊~ランキング編~【2017年2月】

2017年03月13日 17:00

売れているのには理由がある――。数多あるビジネス書の中から、どの本をいま読むべきか決めるのはなかなか難しい作業。ならば、世間で売れている本に注目してみようというわけで、ハイブリッド型書店サービス「honto(ホント)」の協力のもと、ビジネス書の月間ランキングを毎月お届けする。

<2017年2月ビジネス書ランキング>

honto調べ(集計期間:2017年2月1日~2017年2月28日)

はじめての人のための3000円投資生活野村證券第2事業法人部

先月、先々月のランキングで4位、5位に粘り強くランクインしていた「はじめての人のための3000円投資生活」がついにトップに。春の新生活に備えて投資を始めてみようという人が多いのかもしれない。3000円という低予算でローリスクの投資信託への投資を勧める本著は、投資の入門書としては読みやすく、実践にも移しやすいだろう。

今回のランキングで取り上げたいのは、「野村證券第2事業法人部」。2月21日発売というにも関わらず第4位にランクインするあたり、世間からの注目度が高いことがうかがえる。それもそのはず、本著はオリンパス巨額粉飾決算事件で逮捕された著者による実名手記なのだ。前半は、野村證券の黄金時代を過ごした日々を、入社から退職するまで克明に記した。後半はその後のオリンパス騒動に至るまで、いかにしてこの事件に巻き込まれていったのか、事件の内幕を暴露する構成だ。

読み応えがあるのは、前半部分の80年代から90年代にかけての野村證券の内情だ。「ノルマ證券」と揶揄されていたころの営業マンに課せられたコミッション(手数料)ノルマの厳しさ。そして何とかそのノルマを達成しようとする社員たち。コンプライアンスという概念が定着してなかった時代ならではの、今では考えられないやり方で目標達成をする姿。それらが臨場感たっぷりに描かれている。

営業手口も赤裸々に明かされ、そのエゲツナイやり方には驚かされる。市場操作、夜討ち朝駆けや土下座は当たり前。時には顧客への郵便物を破り捨てるという無茶なことも。株を売るにも人と人の関係が濃い時代で、そんな暴挙に出られるのもゆらぎない信頼を築いているから故のこと。損得勘定だけでなく、情が絡んでくるあたりは何とも人間臭い(そこを著者ら当時の証券営業マンは利用しているといえば利用しているのだが)。いい意味でも悪い意味でも、バブル期の日本の勢いや野心を感じさせられる一冊だ。

まとめ:M&A Online編集部


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2017年3月11日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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